KANGEKI-LOG

観劇とか感激とか思考の吐き出しとか

【観劇記録】ファラオの墓〜蛇王・スネフェル〜

U-NEXTで配信中の作品。原作は未読。ハロプロ所属のタレントでつくる「演劇女子部」さんの作品もこれで3作目。古代エジプトを舞台にした架空大河ロマン(戦記)です。2時間とは思えない濃さでした…!

あらすじ
強国・ウルジナの若き暴君スネフェルは全エジプト制覇の野望を抱き、次々と戦をしかけ国の領土を広げていた。一方、ウルジナに滅ぼされた小国の王子サリオキスは奴隷として落ち延び、のちに対ウルジナ勢力をまとめる「砂漠の鷹」として反旗を翻す。
サリオキスと生き別れた妹姫・ナイルキアはウルジナの神官の養女となっていた。スネフェルは森でナイルキアと出会いそれぞれお互いの名も身分も知らないまま惹かれあっていく。

まず目を引くのは絢爛豪華な衣装!特に王族の服や冠、腕輪が照明を弾いて、息をする胸の上下だけでもめっちゃキラッキラ光る…きれい…。ウルジナに反意を抱くムーラ族の衣装は野性味のある盗賊風で、これもまたいい。もちろん楽曲やダンスもオリエンタル。あと、見所といえば殺陣!なんとなく前2作の鑑賞で劇女さんは殺陣やらないのかなぁと感じていたのですが、ガッチガチにやってました。めっちゃ迫力あります。

おそらく原作ではサリオキスが主人公ポジだと思うのですが、タイトルの通り敵ポジの「蛇王・スネフェル」を中心に据えた構成です。冷酷暴虐の王が愛を知っていく物語…と書けばとても良い響きなのですが、彼には信用できる人も臣下もおらず、愛した人は敵国の王女なんですね…。

人を嘲笑い、煽り、殺す、冷酷非情の王・スネフェル役は、「続・11人いる!」で好青年(タダとフォース)を演じていた石田亜佑美さん。カッと目を見開いて顎を少しあげる動作や、目を細めて口の端だけで笑う表情、あまりにも「王」…。それでいて、愛を知らない孤独と乾き、内側に固く鎖された繊細で無垢な心も場面場面で感じさせられる。

小田さくらさん演じるナイルキアは可愛らしい(けれどよく通る)お声と歌唱が素敵。可憐なだけでなく、聡明で気高い。「幸せとは何か」を語る彼女の言葉一つ一つが、乾いた砂漠に雨が落ちるようにスネフェルに沁みていくのがとても良い…。

サリオキスは、話の流れとしてはあくまでも反乱の旗頭として担ぎ上げられる流れを描いている(内面の描写は少なめ)といった印象なのですが、スエフェル役・石田亜佑美さんと、サリオキス役・加賀楓さんは、そこはかとなくお顔立ちというか雰囲気が似通ってる(気がする)んですよね。それが、サリオキス側に深い掘り下げがなくとも、彼らが対であり、鏡写しの存在であるかのように見せる。

各役の印象は下のネタバレ感想でまただーっと語るとして。殺陣と人間ドラマ、ドラマティックな起承転結にずっと目が釘付けでした。でも彼らの「物語」すら歴史という大河の一瞬にすぎないと括られるところまで含めて好き。初演の方もいつか観てみたいな。


*memo*
スネフェル:石田亜佑美/サリオキス:加賀楓
ナイルキア小田さくら/アンケスエン:牧野真莉愛
トキ:譜久村聖/イザイ:野中美希
アリ:森戸知沙希/パビ:羽賀朱音
ネルラ:飯窪春菜/ルー:横山玲奈
マリタ:生田衣梨奈/ジク:佐藤優樹
メネプ神官:清水佐紀/ケス宰相:扇けい
メリエト皇太后:汐月しゅう
【原作】竹宮惠子ファラオの墓』(小学館/中公文庫コミック版 刊)
【脚本】清水有生【演出】太田善也
【音楽】和田俊輔【振付】YOSHIKO
【殺陣指導】六本木康弘
【プロデューサー】丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
【主催・企画・制作】BS-TBS / オデッセー


以下、初見ネタバレ箇条書き感想。
・野中さん、チュチュ姫演ってるときも勇ましい役似合うなあ…と思ってたけどイザイめっちゃかっこよかった。
・佐藤さんのジク…佐藤さん、トマノとかマーガレットとか、クセのある、良い意味でヨゴレや狂気のある役の演技が好き。「恐れながら申し上げます〜」からの下りの大げさで煽りまくりで楽しそうな感じたまらない。ヒャハハ!
生田衣梨奈さんのマリタの残忍な笑みがくせになるし、剣をふるう唯一の女性役でもあるので華があったな。
・譜久村さんは何の役してても存在感がすごいし、今回はある種語り手の立ち位置でもあって、要所要所で舞台を補足して締めてくれる。あと年若き女性への表現としては適切ではないかもだけれど「母」の立場が似合う方でもあるのだなあと。強さと包容力がある。
・スネフェルの母である皇太后役・汐月さん(元宝塚男役)は今回もとてもかっこいいし女性役も素敵…。譜久村さんとはまた違った王族としての「母」の役、よかったな…。スネフェルを愛したかったけれど愛せなかった苦しみ…。
・アンケスエン役・牧野真莉愛さんはまだ自分の中でも掴みきれていないんだけど、そこはかとなく超然とした役が似合いますよね。牧野さんのアンケスエンは姫というよりも巫女に近いようなイメージ。おそらくサリオキスとの関係は原作だと掘り下げられていたのだろうな。
・ルーが可愛い。ララララーってずっと聞いていたくなる。
愛する人一緒にいることが幸せだと語ったナイルが「あなたの剣で〜」って泣けるし、スネフェルの飾らない言葉と「ひとりぼっち」の孤独が「生きるのは辛いこと(でも生きるのだ)」という孤独がナイルを絶望から引き上げたことが改めて楽曲で語られるのほんと…。そしてこの2人のことはこの2人しか知らないんですよね。サリオキスも知らない。
スネフェル王、書面はよくよく読んでくれー!頼むー!!!!!(誰しもがあの場面で思ったに違いない)毒酒で思考力が鈍って� ��たのもあるんだろうな…。
・最終的にサリオキス王子が勝つわけだけれど、彼が治めた短い平穏と、愛を知り幸せな国について考え歩み始める道もあったスネフェルが王位につき続けたイフの未来、どちらが良きものだったのだろうかと考えさせられてしまう。
(また多分追記します)

【観劇記録】続・11人いる!東の地平・西の永遠

LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」の次は、同じくハロプロの「演劇女子部」さん上演の「続・11人いる!」を。両作ともU-NEXTで配信中です(1ヶ月無料トライアル、あります)。
演劇女子部さんは複数作配信されてるのですが、なぜ本作を選んだかというと…萩尾望都さんの原作漫画が子供の時から大好きだから〜!(母がファンで私も読んでいた)。
本舞台はオールダブルキャストで上演されています。「EAST」版と「WEST」版の順で鑑賞(そして円盤も注文した)。リリウムに出演されてるキャストさんたちの全く違う芝居が観られたのも衝撃&感動でした。立て続けに見るの、オススメです(いい意味で心をめちゃくちゃにされる)。

あらすじ
テレパス能力を持った少年・タダと、男女両方の性を持ち、大人になる時に性別を選択する運命を持つフロル。2人は宇宙大学入学試験に合格し、恋人同士となる。ある日、タダのもとに東の国を治めるバセスカから手紙が届き、タダとフロルはバセスカを訪ねる。
萩尾望都原作のSF大作にモーニング娘。'16が挑んだミュージカル

話の軸となるのは、あらすじにも出てくるタダのフロルのカップル+入学試験で友情を育んだ、アリトスカ・レ(東の地)の王・バセスカと、アリストカ・ラ(西の地)の王族・フォース。
バセスカとフォースの母星(宇宙規模の話なので国ではなく星なんですよね)は隣り合う兄弟星。しかし、鉱山を巡る武力紛争が続いている。
そしてタダとフロルの滞在中、東の地でクーデターが発生。バセスカは王位を追われ、大人たちの策略により東西は戦争状態に。バセスカとフォースは対立する立場になります。国か、家族か、友情か…戦争を止めることはできるのか。そして「愛する」とはなんなのか…彼らの選択をぜひ観てほしい。

原作の男性役も全て女性のキャストさんが演じます。それがまた良い味を出してる。EASTもWESTも筋書きは同じですが、衣装のデザインと配色が異なっていたり、細かいセリフの表現がキャストさんによって違ったりで、比べやすくて面白いです。

2作品の雰囲気の違いは、バセスカ&フォースの違いが大きい気がします。役作りとして重なる部分もあるのですが、EASTの2人は葛藤や信念のぶつかり合いとどっしりとした王族感が勝り、WESTの2人は友情と故国の間に惑う青々しさと繊細さの残る青年感が勝る、というのが私個人の印象。どちらもすき。

タダとフロルは、EASTは柔らかく知的な雰囲気のタダ&本当に性別の真ん中にいるようなフロル、WESTは爽やかな少年感のあるタダ&恋を踏まえた上で少女が内側からかすかに香るフロル、みたいな感じでした。なおEASTではフロル、WESTではタダを工藤遥さん(リリウムではファルス役)が演じています。すごい…(し、他のキャストさんも全く違う役を両バージョンでやってるので、感動通り越して目が回ります。笑)。

演劇女子部のキャストさんの演技、みんな好きだなあ…。女性だけの舞台という華やかさももちろん良いですが、私はアイドルであるときの彼女たちの表情を知らないので、舞台上の彼女たちの芝居が今の所私の知る全てで。舞台の彼女たちは、可愛いというよりも苛烈で、甘やかというよりも泥臭く、板の上にむき出しの魂、生命力の塊があるという感じで、好きです(きっとアイドルであるときも素敵なのだろう)。歌とダンス、今回もキレッキレだった!
あと、元宝塚の男役である汐月しゅうさん、未沙のえるさんがご出演されていて、お二方の演技と歌唱がめちゃくちゃ舞台を引き締めてます。お二人の歌声やセリフの響きやキレはまさに「歴戦の猛者」という感じで、まだ女子演劇部のキャストさんには出せないと思わされちゃう貫禄がある。めっちゃカッコいい。
私はヅカにまったく馴染みがなくて知識もほぼないのですが、お二人が出てきた瞬間「え、ヅカじゃん…」と思いました。本当にヅカだった。すごい。

リリウムが衣装や演出でどっぷり世界観・空気感にまで浸れる&酔えるタイプの舞台だったのに対し、11人は近未来SFというのもあって最初は没入しづらかったのですが、キャストさんの一挙一動でおぼろげだった漫画のコマ割とかセリフがぶわっと思い出されていくのが凄まじく爽快でした。
個人的には原作読んでから舞台観るのがオススメ(あくまでも「続」の舞台化なので、その前座というか本編を読んどくと解像度めちゃくちゃ上がると思います)。でも原作知らずに観る体験もしてみたかったかな…。読む前と後で2回観るのはどうでしょう、これだ!(名案)。

11人いる! (小学館文庫)www.amazon.co.jp 550円(2020年07月31日 11:16時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

余談
萩尾作品の舞台に触れたら他の萩尾作品の舞台も見たくなって、別の劇団さんの作品ですが「トーマの心臓」も円盤を…買いました…。そう、そうだ、萩尾作品と言えばリリウムがお好きな方には「ポーの一族」おすすめです。永遠を生きる吸血鬼の少年・少女の物語です。

*memo*(公式サイト
イースト■
タダ:石田亜佑美/フロル:工藤遥
バセスカ王:譜久村聖/フォース:小田さくら
チュチュ:野中美希/オナ:牧野真莉愛
レッド:生田衣梨奈/トマノ :佐藤優樹
石頭:羽賀朱音/ローン:尾形春水
アナテイ:飯窪春菜/アマン伯爵:浅倉樹々
ドゥマー:小片リサ
■ウエスト■      
タダ:工藤遥/フロル:小田さくら
バセスカ王:佐藤優樹/フォース:石田亜佑美
チュチュ:牧野真莉愛/オナ:譜久村聖
レッド:岸本ゆめの/トマノ :尾形春水
石頭:生田衣梨奈/ローン:飯窪春菜
アナテイ:山岸理子/アマン伯爵:野中美希
ドゥマー:羽賀朱音

ゾンブル:汐月しゅう/バパ大臣:未沙のえる

Staff
原作:萩尾望都「続・11人いる!東の地平・西の永遠」(小学館刊)
脚本:坪田文
演出:西森英行(Innocent Sphere)
音楽:和田俊輔
振付:振付屋かぶきもん
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
主催・企画・制作:BS-TBS / オデッセー


以下、箇条書きネタバレ初見メモ。
・2作品みて一番印象的だったのは、フォースの「彼は友達なんだ」のニュアンスの違いだな。小田フォースは葛藤の中で絞り出すように、石田フォースは張り裂けるような叫びで表現する。続くバセスカ・フォースの「僕は君を殺さねばならない/僕は君を殺す」「君に殺されるわけにはいかない/私は死ねぬ」の掛け合いが一番劇中で好きな見せ場。
・両作ともチュチュ姫が好きだなあ。野中さんも牧野さんも、姫君の気品と家族思いな部分が顔に表情に現れている…。「兄の名を呼ばないで!」「お前に約束をする誇りがあるの」「おやめ、何をいうの」の下りがめっちゃすき。原作の表情と声のイメージとテンポそのままなんだよ…。
・指を切られそうになるフロルの代わりにタダがなるオリジナルの一場面、よかったです。タダという少年の「愛し方」を象徴するシーンでもある。言葉がないと不安だったフロルの心が、タダの行動で開かれていく感じがまた尊いのだ…。
・フロルは作中では女でも男でもなくて、最後には「(タダのために)女になってもいいぜ」とも言うのだけれど、フロルが男になっても女になっても、その傍らにはタダがいると思うんですよね。そんな2人が、小さい時から好きです。
・思いあってるバセスカとオナが結ばれない、そしてバセスカとチュチュ姫が婚姻を結ぶ、という展開が私はすごくすき。それはけして不幸ではなく、それぞれに途切れることのない深い想いの繋がりがあるんですよ…。3人の選択は、巫女であること、王族であることの誇りのあわられであり、亡き人の思いを繋ぐ決意でもある。好き。
・「和平を望んでおります」で毎回涙腺決壊してしまう。ローンおじさまいいよね…。あとバパ大臣とバセスカの関係よ…。
・「死にたいときに死ねぬ」と匂わすの、ほんとさぁ…ほんとさぁ…(萩尾先生の作品に対してもう好きしかない)
・魂通しの交流を描くのに歌が挿入されるの好き。タダもフロルも、バセスカ�� �フォースも、視線を交わす(目を合わせる)一瞬の中であまりに膨大で言葉にできない想いを交わし合って、通じ合ってるんだよね。
EAST

画像1

・譜久村バセスカがもう、圧倒的にカッコいい。最初から最後まで圧倒的「王」。カリスマと誇りを感じさせる。内側から光る。「私は誰だ」「マヤ王バセスカだ」の下りが狂おしく好き。あと衣装が好き。アリトスカ・レは一応「冷たい風が吹く」と表現されてるので、EASTのあとに観たWESTの衣装が配色とモチーフが入れ替わってアラビア風になったのはちょっと最後まで違和感があったかも(というかやっぱり初めに見たEASTの印象に引っ張られちゃうのかな)。でもどっちもよかったし好き〜〜〜。
・小田フォース…赤の衣装がめっちゃ似合う。あとお顔立ちがはっきりしてるからアラビア風の衣装めっちゃ映える…。あとリリウムオープニング?の時も思ったけど、力強い歌唱本当にすき。
・工藤フロルの中性感…。工藤さんの芝居は(まだ2作見ただけだけれど)良い意味で最初は「浮く」印象があって。観る側に小さな引っ掛かりを残すんですよね。でもそれが進行とともに舞台の一部になってどんどん加速して深化していく。惚れちゃう。
・佐藤さんのトマノ可愛すぎて、クソ野郎なのに憎めなくて困る。WESTでバセスカやってるの「???同一人物…???」とならざるをえない。
WEST
・「11人いる」の時の若者感がある、けれども誇り高き王族の佐藤バセスカ〜!!でもあなたさっきチャランポラントマノ演ってましたよね!?と上記の通り頭が混乱する。あえて低めの声出してる時も素の声に近い声の演技の時も好き。なんとなくWESTのバセスカが本当の意味で「王」になったのはフォースの死を経てのような気がする(EASTにもその側面があるけど、こちらのほうが強く感じる)。
・石田フォース、繊細な感情と潰れそうな苦しさが前面にでてる。バセスカとの掛け合い、めっちゃ声震えてるのが「ああ…ああ…」ってなって泣いてしまう。「殺す」を自分に言い聞かせるように歌うんですよね…。
・小田フロル、乙女〜〜!(いや女じゃないんだけど!)乙女というより…なんだろう、とにかく可 愛いんですよね。でもあくまでも自然体なの。EASTでフォースやってた人なの???本当に???
(また多分追記する)

追記
・なんとなくなんだけど東は原作ベースの配役で、西はハロヲタさん向け(歓喜)の配役のような気がする。西はハロヲタさんなら「そうきたかー!」とか「わかってるなあ!」と唸らされる配役というか。佐藤さんのバセスカ役とか、工藤さんのタダ(男装)とか、美しい譜久村さんとか。それでいて役作りもうまく東と差異を出してて、うまいなぁと感じる。だからどっちも好きだなあって感じられるんだろうな。
・東が(どちらかというと)原作再現に重きをおいてると感じられるのはバセスカの衣装というか帽子が明らかに原作よりだから(洋風で羽根がある)。西で衣装の色彩と国のコンセプトごとひっくり返してるのも、2バージョンの違いがわかってくるとなおすとんと納得できる。


観劇記録一覧2019-2022

※2021年以降記録をサボり気味です💦

『キャッチミー開封ユーキャン』(22.10.4)

友人のオススメで一緒に配信で鑑賞。舞台の上には人の入った箱。開演から観客は小一時間、役者の声を聞き手だけを見て脱出劇を見届ける構成。3つ目の穴から手が出てきたときに二人でぶち上がって爆笑してしまった😂最後に、最初からそこはかとなく感じていた「手作り感」までキレイにオチてすっきり。

全体としては、手だけのシーンが中盤ダレた感があったかな。脚本、それぞれの役がなぜゲームに参加したのかはあえてざっくり削られたんだと思うんだけど、やっぱり少しは知りたかった気持ちが。でも「脱出に関するギミック1本で楽しませる」という意気込みに、見事楽しませられました。いやほんと「これもしハサミとか磁石とか落としちゃったら、劇ここで終わりじゃん…!」というメタ的なハラハラも込みで楽しかったし、それも計算のうちだろうし、すごく装置とか細やかに調整されたんだろうなぁ、と!

『Rule the Stage《どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!》』(22.9)

どつ推しの友人とリモートで同時配信鑑賞。ほぼほぼドラパをなぞる構成ながら深掘りするところもあり、良かった。零とさぶちゃんは新キャストさんですね。さぶちゃんのバブみがすごかった(あとそこはかとなく漂う役者さんのダンスの不器用さがそれっぽくて好き)。じろちゃんは顔が良い。ステの一兄はより脳筋。ささとろの掘り下げ良かったな~というか役者さんと役が進化&深化してる感があって「ずるい!」となった。笑 サカブクロはドラパもこうやって絡みがあって一つのストーリーラインになりうる形ですけど、ナゴジュクどうなるんすかね…と一抹の不安を覚えつつ。何にせよ全員顔が良いな。ダンサーさんたちも相変わらずバチバチに格好よかった。

『SHINE SHOW!』(22.9.10)

演劇仲間と配信で鑑賞。いや~笑った!疾走感とエンタメの塊!って感じで楽しすぎた〜3時間くらいの演目なのに、体感2時間くらいだった。とあるビルのテナントの社員達が恒例のカラオケ大会で競う…って筋書きなのですが、皆さん歌上手すぎる。粉雪、曲名でもう演出までわかりすぎて爆笑してしまった。楽しかった、楽しかった…☺あと告発ラップが来た時に(これはラップバトルくるで…!)と期待してたとおりにラップバトル勃発してアガった…すごくきれいに期待に応えてその上でさらにブチ上げてくれる脚本、好きすぎる。元気が出る。私はそういうお芝居がやっぱりいちばんすき。

Queen of Bandits』(22.8.28)◆

準備中

『時雨―運命(おもい)を共に―』(22.8.28)◆

準備中

『天空のGIFT』(22.7.16)◆

準備中

神州無頼街』(22.3.20)◆

準備中

『行先不明』(22.3.5)◆

準備中

少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE エーデル- Delight』(22.3)

準備中

『寅年だらけの2人芝居60分勝負!』(22.2.6)◆

kotokaze.hatenadiary.jp

エリザベート -愛と死の輪舞-』

準備中

『フラグメントファンタジー』(21.8.21)◆

準備中

少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#3 Growth』(21.7.27)◆

準備中

『YAhHoo!!!!』(21.6)

準備中

『ヌルイミライ。』(21.7.10)◆

準備中

『 I will always remember you.』(21.5.8)◆

kotokaze.hatenadiary.jp

『劇団朱雀 ぎふ葵劇場幕引き公演』(20.12.26)◆

www.gekidan-sujaku.com

たまたま「髑髏城の七人・鳥」を円盤で視聴したタイミングで早乙女兄弟共演の舞台があるとの情報を見かけて気になっていたら友人にお誘い頂いて、岐阜まで行ってきました。

私にとっては初めて訪れるまちなかの大衆劇場の、最後の舞台。ぎふ葵劇場。ステージの天井の高さがあまりない分、役者さんの存在感を強く感じられた舞台でした。舞踊のライティングがめちゃくちゃかっこよかった。役者にライト(舞台装置)が応える世界を感じた…。光の下に入ったり、光の向こうに立つことでヴェールの向こうにいるかのように見せたり、光に手を伸ばしたりとか…最高だった。地面や壁に映ると模様になる光が、空中だと線になってたのもエモかったです。

私が見たのは26日のマチネだったのですが、まさかの公演一つ一つで舞踊も演劇も違うという凄まじい構成。感想を拝見していると、私が観た回はどちらかというと静的で芸術品のような舞台だったのかな、と思います。舞踊→演劇→舞踊の三部構成で、幕が開いた瞬間美しく絢爛な世界に息を飲んでしまった。早乙女太一さん美しすぎますね…オラついてる役が似合うなとか思ってましたが、言葉のない世界で際立つ美しさと存在感…凄まじい…。

先述の通り、私が観た舞台はどちらかというと静的な雰囲気だったので、観てるときに個人的に考えてたのは、感情を演技・演舞に載せてブーストかけるタイプの舞台と、感情込みで完成されている(ように見える)芸術品のようなタイプの舞台があるとしたら、この舞台は後者だなぁってことでした。めちゃくちゃ人は動いてたけど、静かな熱い炎のイメージでした(友人はソワレも観に行って、その回は凄まじく「祭り!」だったらしい)。

演劇の演目は「上州土産百両首月夜の一文銭」。だばだばに涙と鼻水を垂れ流してしまった(音を立てるのがためらわれて)。周りから響くすすり泣きに(わかるよー)ってなってました。太一さんの「ガジ」の呼び方がずるい。ずるいとしか言い様がない。2文字なのがまたニクいと思うんですよね。ガジロウ、ではなくガジ。時に優しく時に厳しく、時にどこまでも哀切や慈しみを乗せて響く2音に頭がくらくらしました。ガジロウ役の久保田創さんもすごい。頭が足らず人並に生きられない、けれども誰よりも「あんちゃん」を慕って信頼している(上州~は演目によってはガジもそこそこ悪いことをして生き延びているパターンもあるみたいですが、このガジはどれだけ馬鹿にされてもコケにされても真っすぐにしか生きられなかったんじゃないかなと感じてしまった)人柄が、たまらなく愛おしかったです。最後の涙は芸術品じゃんね…。あと親方があまりに「良い人」過ぎてさらに泣きました。しばらく「ガジ」のレパートリーを思い出すだけで頭が狂いそうだし、幕間で友人に「太一さんのお声って…すてきだね…」と呆然と話しかけてしまった。

theater-complex.jp

舞踊は曲名が分からないのもあったのですが、どれも目が離せなかった。衣装もどれもすてきで特に第3部の中華風?の衣装があまりに好きすぎました。旗を振るお兄さん方がイケメン過ぎる。祭り衣装の国民の弟の友達の須賀健太さんめちゃくちゃ可愛かったな…。あと太一さんと友貴さん兄弟の朱雀の両翼の如き舞踊があまりに美しく…赤と青の対比、マントの重さの違い、自然なステップの中であの長い裾を的確にさばいていく姿。太一さんの前髪が表情を伺いづらくさせていて、それがまたミステリアスで妖艶で息を飲みました。

『-The LIVE 青嵐- BLUE GLITTER』(20.12.25)◆

revuestarlight.com

私が舞台にハマるきっかけになったコンテンツ「少女★歌劇レヴュースタァライト」の舞台最新作。新型コロナウイルスの影響で1年間、イベントや公演の中止延期に見舞われながらようやく幕の開いた舞台であり、前作に当たる舞台「♯2」でライバル役として登場(そして人気爆発)した「青嵐総合芸術院」の生徒たちを主軸に置いた待望の舞台でした。その性質上、個人的にはファンサの意味合いが強い脚本だったかなと思います(あとやはり中止延期の影響でコンテンツの公開が前後して、脚本的に色々大変だったのでは…と勝手に感じていたりしました)。

青嵐総合芸術院の3人は流石の歌唱力と演技力。特に終盤、三銃士をモチーフに「本来の自分とは全く違う性格の役を演じる」場面では、特に小春役・七木奏音さんの演技がまったくの別人で痺れました。(表向きは)淡々とした印象の小春から、陽気なポルトスへの転身。素晴らしかった。あと小春の不器用さや、クールなわけではなく年相応に(押し隠そうとしながらも)悔しがったり、傷ついたり足掻いたりする姿がね、胸を打ちました。氷雨役・門山葉子さんは、前作では強気勝ち気(でも本当は情に厚く泣き虫)な印象が強かった氷雨の、実はちょっと姫気質(褒めてる)でチャーミングな部分を引き出してくれていて、それでいて歌姫たる歌唱は圧倒的で痺れました。王とやり合う時は気品に満ちてた…。涼役の佃井皆美さんはムードメーカーでいて親しみやすい、それでいて締めるときはきちんと締めてくれる涼ちゃんそのもの。後輩に対してはきちんと先輩で、小春や氷雨の手の回ってない部分を埋めてくれてる感じが大好きです。そして大きなブレードを長い手足を使ってぶん回す格好いい殺陣!最高でした。

ゲスト的立ち位置だった雪代晶役・野本ほたるさんは素で銀髪がお似合いになるのが…すごい…。重そうなランスを華麗にさばく殺陣の腕前もさることながら、相変わらずおみ足が長くて美しくて動揺してしまった。王者の風格でした。

キーキャラクターでもあるさくら役・髙橋果鈴さんは、妹キャラが似合いすぎる~!淡々としていてどちらかというと内向きでストイックな姉(小春)に対し、オープンザマインドなさくらちゃんが大変良きでした。舞台創造化としてレヴュー服をまとい刃を振るうあの展開、痺れましたね。柳姉妹愛しい。

松栄美湖役・田中志奈さん、羽成八津樹役・永利優妃さんは、一回の視聴だとまだ深掘りできていないのですが、物語に飛び入りをする難しい立ち位置である役に、果敢に挑まれていた印象でした。ダンスも殺陣も格好良かった。ただ今回はどうしても脚本上青嵐の当て馬的立ち位置になってしまったので、今後個別に展開して、個人的にはぜひ第2の「青嵐」になってほしいです…。

アンサンブルさんは衣装替えを繰り返しながらのパフォーマンス、圧巻でした。私が観た回のゲスト、石動双葉役・生田輝さんのダイナミックな殺陣が観られたのも幸せだった~。やっぱり舞台少女は武器を振り回してぶつかり合ってナンボだと思います(湖心の感想です)。

走八も濃かったですね…(それ以外の言葉が出てこない)。物語そのものには関わってこないのにめちゃくちゃ濃い何かを見せつけられたね…。個人的には走駝紗羽先生がすごく「人間」になっていたことに驚きました。今までは「舞台はおもしろければいい/面白くなくてはいけない」を突き詰めていく人、だと思っていたので。まさかそれも八雲先生との因縁のせいだったの…?解決したから人間になったの…か…?と良くも悪くも戸惑いはあったかもしれない。笑 八雲先生は結構過保護というか心配性で笑ってしまった。大回転と髪捌きが観られたのはもうファンとしてサイコー!の気持ちでした。

全体的に、コンテンツのファンとしては要所要所で「これが観たかった!」と手に汗握ってガッツポーズする一方で、演劇ファンとして、一つの物語、一つの舞台として捉えた場合は、少しアンバランスさが感じられたというか、ぎこちなさを覚えた部分があったかな(あくまでも個人的な印象です)。でもこれも多分、先述の通り色々な都合があってのことだと思うのですよね。本当にコロナ…コロナのせい…。来夏に本編の新作公演が予定されていますが、そこで青嵐や今回絡んできた舞台少女たちの「次」はあるのか。その前に公開される映画(アニメ)はどうなってくるのか、そわそわしながら待ちたいと思います。

『打ち上げ花火が消えた後、カケラみたいに光る星』(20.12.25)

昨年に公演された作品。同じ推しさん(生田輝さん)を追っている友人が公演当時からたびたび作品名を挙げて呻いていて(表現がこんなのでごめん)…ずっと気になっていた作品でした(そしてその友人から円盤をお借りしました。ありがとう)。

公演ページがもう消えていたので、メモがてらアーカイブから拾ってきたあらすじを残させてください。

Introduction
「打ち上げ花火が消えた後、カケラみたいに光る星――」

そんな意味不明なメッセージの断片だけを残し、
宇宙空間で消息を絶った格安宇宙旅客船『STAR LIGHT12便』。
ある夜、一人の⻘年のスマホが突然、
見知らぬ誰かからの動画を受信する。

ある夜、一人の⻘年のスマホが突然、
見知らぬ誰かからの動画を受信する。

ここは『STAR LIGHT12便』という船の中です。
これから、ここで僕たちに何が起きたのかをお話しします。
関係ないのに、ごめんなさい。
でも、どうか最後まで見てもらえたら嬉しいです。
それでもし......もし良かったら、伝えてもらえたら嬉しいです。

僕たちが戦ったってこと。守りたかったってこと。
最後までみんなで笑ってたってこと。
今、これを見てくれてるあなたへ。
勝手だけど、僕たちはあなたに託します」――

小さな宇宙船の中で起きた、
小さな普通の人たちの、
大きな勇気の物語。

テロリストにジャックされた宇宙船に乗っていた8人と、彼らの言葉を受け取った1人の物語。

あらすじもぼんやりと把握していたのですが、見終えて真っ先に思ったのは「これ劇場で観たら色々な意味でやばくないか?」でした。涙鼻水抑えられないし、でもかといって音を立てられる雰囲気の演目でもないし、箱も小さいし、役者さん近いし、でも溢れてくる。やばいよ。

友人も言っていたのですが、小規模の箱だからこそより引き立つ、引き込まれる物語だったと思います。朗読劇、というのがあまりにぴったりくる。場面はずっと基本的に宇宙船の中なのですが、彼らの語りが、今も地球に暮らす大切な人たちや思い出を私たちの脳裏に鮮やかに思い起こさせる。北斗君があまりに光で道しるべだったけど、彼もどこまでも人間だった。あと自分で自分を偽っていたと後悔する綺羅ちゃんが、でもその偽りでつくっていた自分ですら自分にして、みんなに提案をする姿に泣いてしまった。

れからきっとあらゆる瞬間に、彼らがいないこと、彼らが守りたかったものを思い出してしまうんだろうなと思って、それはとてもあたたかでやさしい感情だけれども、どうしようもなくやっぱり、かなしい。同時に、彼らがもういないことを知る、というのは、彼らがいたこと、生きていたことを知っている、ということの証左でもある。ゆで卵むくたびにわたしは、綺羅ちゃんのことを思い出すんだろうな…。

あの舞台に立っていた役者たんたちは、「今はもういない」彼ら(役)でもあり、「今も生きている」人たちでもあって、そのことを強く意識したな。役であるときって、役者が消えるわけではないじゃない、みたいな…。そして彼らの欠片を抱いて生きてる。

パンフレットをお迎えしたのでゆっくり読みたいです。

『苦闘のラブリーロバー』(20.12.12)◆

lovelyrobber.scissors-blitz.com

今年イチ何にも考えず純粋に笑って頭がパーンってなりましたコメディ万歳!細部が脳に刻みつけられるというよりは見たあとの爽快感というか「あんなに笑えてすごい舞台だな!」っていう莫大な気持ちと満足感がたまらない 。このコロナ禍のなかで久々に満席の劇場を見たし、そして不思議と不安はなかったです。

個性豊かな登場人物たちの関係性や性格、お仕事が観客にもわかる「お約束」のなかで華麗にすれ違ったりもつれ合ったりして笑いにつながっていく…たまらなく痛快でした。頭から足先までコーディネートされたカラフルでにぎやかなお衣装もすてきだったな。

谷やんとゆっきーの可愛いバカップル感、ひろっちの井戸端マダム的リアクション、シンタのお兄さんとの感情のぶつけあい、あいあいの垣間見える聡明さと情の深さ、なっちゃんのあふれ出る「良いお嬢さん」オーラ…そして全てを持って行ったごとぅー…何よりタイトルの通り愛すべき苦労人の泥棒さん!

シザーブリッツ主催の舞台は昨年のマーダーケースぶり2回目だったのですが、脚本のチョイスというかアンジャッシュ的コメディが楽しくてとても良いです。来年もまた上演してくれるかしら。引き続き推しさんも出てくれたら嬉しいなあ。

 

『プライベート・ジョーク』(20.12.11)◆

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派手な音楽や演出があるわけではないのに、目が離せなかった。本来なら自分で定められる(べき)ものが、時代に世相に歪められていく…そんな時代の一幕を今、観る。過去は現代と地続きで、けして切り離せるものではないことを実感する。

最初に画家がバルコニー(屋根)をふらふらと歩いてるのを見たときに、あ、これは境界線にいる人たち(芸術家)の物語なのだ、と思った。あとバルコニーの導線が不思議とペンローズの階段にも見えたりしていた。境界線上の芸術家と観測者、境界線の中の箱庭(学び舎)、自他の境界線、最初のセリフからずっと見えない線を見極めようと目を凝らしていた(わかったわけではない)。知見が狭くて自力でわかったのは画家二人と先生だけだったんだけど、観劇後に調べて天井仰ぎました。脚本買ったのでゆっくり読んでかみしめるよ!

 

劇団四季 アラジン』(20.12.11)◆

かねてから「一緒に舞台観に行きたい」と言ってくれていた母と妹と一緒に。

開幕とともに流れる「アラビアナイト」に全身がびりびりして、こんなにも華やかでたくさんの人の技術と思いが籠もった舞台が今日も様々な困難を超えて開幕してくれたー!というのがもうすさまじく奇跡じみて感じられて泣いてしまった。

個人的にはジャスミン観が一新されたというか、今まで「ディズニープリンセス」の中で気に掛けたことがほぼなかった彼女の存在が本当に自分の中で一気に引き上げられた舞台でした。

アラジン役厂原さんとジャスミン役三井さんの身長横並び(やもすれば三井さんのほうが高い…?)のがめちゃくちゃ物語とのバランスがよく感じられて、ジャスミン観がアップデートされたというか、例えば上半身の露出が多めの衣装も、動きやすいハレムパンツも誰のためでもなく彼女が選び彼女が着ている衣装なのだ、と感じられて「ジャスミンってこんなに凛々しくて賢い王女だったんだ?!」と(幼いときはどうしてもドレス着てるプリンセスに目が行きがちだった)。あと三井さんの声量とちょくで胸を撃ち抜いてくる真っ直ぐな歌声すごい。すき。

アブーの代わりでもあるマブダチ三人めっちゃすき。兄貴分のカシーム、キヨワダケド優しいオマール、食いしん坊でマイペースなバブカック。いとしい。この三人がいるからこそ、アラジンがすごく人間であり青年であれた感じがした。アラジン、情けないとこがあるから好きだよ。

ジャファーとイアーゴのよい意味の小物感あるコミカルさよかったな。妹に「お姉ちゃんイアーゴ好きすぎ」って言われるくらい出てくるたびに笑ってしまった…しジャファーは本気だしたときの圧半端なくてかっこよかった。アンサンブルさんが最高だった…音楽もライティングも舞台衣裳も…これがロングランの!力!という、実力と安定感と華やかさを堪能できた舞台でした。2階席だったのですが舞台装置がダイナミックに動く様子がよく分かってそれもまた楽しかったです。

あとなによりジーニー!ラップで頭ぱーんとなってなにも記憶ないけどなんかラップしそうな魔神だなって思ってたとこにぶちこまれて最高だったし歌もダンスも台詞も全部好き。妹が「ジーニーが主人公って感じだった」って言ってたのが印象的だったな。また家族と観に行きたいです。

『獣道一直線!!!』(20.11.21)◆

せっかく観に行ける距離で上演していて奇跡的に仕事でご縁もあったのにまさかの公演日に仕事だった舞台…だったのですが、すでに東京公演を観てのめりこんでいた友人(関東在住)に乗っかって京都で観劇しました(爆笑)

正直詳細が頭からぶっ飛んでる(ので細かいことが書けない)んですけど、まず役者さんの本名をもじった「売れない役者たち」の名前に笑ってしまうし、のぶよさんは薬使わなくてもメチャクチャ色っぽかったよ…。ちょくちょく挿入される遠慮なしの下ネタに声上げて笑ってしまったの許して欲しい。このご時世にそんな笑い方できる舞台あっていいの?いいよ!っていう意気込みだと受け取りました。きっと観てたひとみんなそう。
実在の事件の解釈でも再構築でもなく、劇中の「ドキュメンタリー」すらも劇中世界での事件の真実を明かすものでもなく、何が本当で何が嘘が、究極「どうでもいい」、これが「舞台」これが「アクター」というパワァそのものって印象でした。種明かしにちゃぶ台返されるタイプの舞台というよりひたすら暴れ馬に乗って翻弄されてる感じ。その振り回され具合が心地良いし、最後には観てた側の思考回路がミンチになってコネコネされて「ちくわ」になっちゃうんだよなあ。練り物になりました。

真夏の夜の夢』(20.11.15)◆

まさかの最前列観賞でした。めちゃくちゃ近かった!笑

ときたまご、そぼろ、デミ、ライ…という、真夏の夜の夢の原作に寄ってるのか突き放しているのか分からない登場人物のネーミング、そしてときたまご(ハーミア)の実家が料亭という設定にどうなるんや…と思っていたら、内容は割とストレートに真夏の夜の夢だった印象でした。といっても、原典には登場しないメフィストフェレスが場をかき乱しまくるのですが…(パックの立つ瀬が無い!笑)終盤ちょっと頭がごっちゃになったのですが、そぼろが森に行ったことがある(悪魔の前で飲み込んだ言葉がある)というのは冒頭で示されていたので、わかるような、わからないような…(最後の結婚式の落としどころが、見落としなのか考えが至っていないのか、ちょっとまだ消化し切れてない気がします)。

いかんせん近かったので役者さんの表情や筋肉の動きやライティングによる陰影がすごく印象に残りました。ところでチラシなどに使われているビジュアルとは全く異なる舞台の風景・衣装だったわけですが、妖精達の衣装がそこはかとなく人為的な「ビニール袋」で作られていたのは、もしかするこのコロナ禍の状況を反映?風刺?してのことだったのかしら、とぼんやり考える。

台詞の随所にある言葉遊びが独特で楽しかった…のに記憶がすっぽ抜けている。しゃぶしゃぶのように!とか…笑 全員が下着?薄着?の姿になるのはドキドキしてしまいました正直。デミ役の方の胸板の厚さが好みすぎました。

『髑髏城の七人鳥』(20.11.3)

Twitterから)髑髏城やっぱり面白いしすごい!!友人通じて出会えてよかったなあ。花風も見返したいけど上弦下弦にひとまず進む感じかな。鳥は華やかで鮮やかで賑やかで、でもだからこそシリアスな部分がめちゃくちゃ刺さった。この天蘭の関係性も沼だったな…。鳥捨が序盤金太郎で笑ってしまったし、鳥の太夫と兵庫の距離感の近くが愛しいし、鳥沙の「決めたんだ」、それまでの少女感からいっきにイケメンの少年漫画の主人公になっててヤバすぎました…。

用事すませながら流してたのでまた見返したい。音楽が多いから耳でも楽しかった…(し途中から作業そっちのけだったよね)。そしてさおとめさんが私の中で「育ちの良いオラ付き役が似合う人」みたいなイメージになってる(きっとほかにもいろんな役が似合うとは思いつつ)。ダイナミックでキレっキレの殺陣、かっこよかったな。ダイナミックなんだけど無駄がないというか。花蘭は水(重さのある流体)、風蘭は風(舞)、鳥蘭は雷光って感じ。初見のイメージ。

『Crush Your Mic -Rule the Stage track.3』(20.10.19)

めちゃくちゃ良かった!再現度と熱量が凄まじくて、これが2.5…!となった。ヒプ沼への落ち方が加速したしヒプマイキメないと生きられない社会人になってしまいましただれか助けて。

『そよ風と魔女たちとマクベスと』(20.10.8)◆

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『音楽朗読劇 黑世界』(20.10.3-4)

Twitterから)

リリーがもう北十字も南十字も夢想できないのは、リリーは眠りから醒めて自分の足で現実を歩いているからで、真っ黒な世界を旅するなかで、それでも星に等しきかそけきひかりを見出して、抱きしめて、生きてゆくからなのだと思った 永遠の繭期とは矛盾するけど。

雨下、すごく重くて暗いところにリリーが独りだけでいたらどうしようと思っていたので、思っていたよりずっとずっと、やわくやさしい物語だと私は感じた。リリーのそばにいたあの子がリリーの中のあの子であり過去の舞台にいたあの子でもあり役者さんすごいなぁと思った…すき…。

鞘師さんめちゃくちゃかっこよかったな…いやかっこいいという表現はあまりに陳腐なんだけど、リリーをかたちづくる一挙一動に鞘師さんの凄みを改めて感じた ダンスがどれも良かったな…(語彙がない)

リリーは永遠の少女で、鞘師さんはその永遠の少女を時を経てなお舞台に顕現させた最高の役者さんだけど、ここが最高点ではなくて、鞘師さんはこれからまたどんどんど未来へ、未来へと進んで羽ばたいていく人だというのがまたまばゆいなと思う。

リリーがクランの友人たちを、痛みとともにある記憶を、「忘れないで」抱きしめて生きてゆくの、あまりににんげん、というか心のあるいのちで泣いてしまう
永遠の繭期であるリリーは「信頼できない語り手」でもあると思うんだけど、ばたんきゅーも涅槃像もチェリーもスノウへの涙も、繭期で揺らぐ記憶を超えた、魂に刻み込まれた消えない無意識にして永遠のものであって、それがほんとうになんか、肉体の生死とは異なる、いのちが、こころが「生きる」、つながっていく、と言うことだなと思う文章が電波。

でもほんとうに、またリリーに会えて嬉しかった 彼女が孤独を抱えていてもなお、ひとりではなくて良かった 幸せを願ってくれる人がいて泣いてしまったし、私も祈らずにはいられない。いつか訪れる死に向かって生きてゆくって、いずれ枯れゆく命と何ら変わらずまさに生きていくってことじゃんね…となんかそのままのことを、手を伸ばすリリーを見て思っている。

 

不思議の国のアリスたち』(20.9.28)

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 U-NEXT駆け込み試聴!(今月末で一旦解約)
 現在「アラビヨーンズナイト」上演を控えるBEYOOOOONDSの、2年前に上演された主演初舞台。今回もビヨンドというグループのことは何も知らず、見ながら気になった子やグループの背景を調べる方式で観賞。
 トランプ組の3人が明らかに歌とピアノで選ばれた子たちでしょって導入と役割でわかる。そしてこの演目は「ビヨンド」というグループの紹介も兼ねているのだと伝わる(メジャーデビュー前の作品だったのねと後で知る)。芝居と言うよりはパフォーマンスショーの雰囲気が強いかな。そのパフォーマンス性の高さこそが、このグループの持ち味なのだと示している。
 グループのための演目&アリスモチーフはスマイレージの「スマイルファンジー」と共通しているけれど、ビヨはグループとしての「はじまり」であり、スマはひとつの「区切り(おわり)」の舞台あるところが面白い。
 芝居は圧倒的にプレイングマネージャ・ハートの女王役須藤さんの牽引が凄まじいというか台詞一番多くて笑っちゃった。客席を容赦なくいじっていくところも好きですし、ビヨの子達にとっての「お姉さん」感よ…。そしてアリスの衣装可愛い。ミントちゃんが好き(と思ったらネガポジBのりさかー!となる。お芝居向いてる子なのかなと勝手に思ったりする)。
 筋書きとしては、「ビヨンド」というグループのメタ的な要素が入っているので、どうしても最後に彼女たちの関係性を白紙(スタートライン)に持ってこなくてはいけなかったところが、仕方ないとは言え少女の成長ものとしては少し残念。いわゆる「夢落ち」だけど、彼女たちの知らない物語を我々観客は知っているし、これから紡がれる彼女たちの物語も追っていくんだよ…と思えばやはりこの構成が正しいとは思います。
  アラビヨ、アリスから2年を経て、太田さんがビヨンドというグループとアイドルに何を見出し、彼女たちにどんな脚本を贈ったのかは気になるところ。タイトルからして彼女たちのための物語であるわけなので。
 アリスではあくまでもビヨンドというグループが、2つのユニットとオーディション組(でいいのかな)で成り立っているという印象(打ち出し方)が強かったけど、2年経ったいまはきっと、3つがきれいに合わさってほんとの意味で1つのグループになってるのでは、と俄ながらに思うので、アラビヨも気になる!行かれる方は楽しんで~!

『タイムリピート~永遠に君を思う~』(20.9.22)

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『ネガポジポジ』(20.8.24)

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『桜の樹の下で』(20.8.22)

アップダウン | 音楽劇『桜の下で君と』アップダウン二人芝居 アップダウン二人芝居『音楽劇 桜の下で君と』公式ページ。僕たちも、もちろん戦争を知らない。けれど、これは伝えていかなけれ www.updown-sakura.com  

 Twitterで知った(本当に私は芸能界に疎い…)、竹森巧さんと阿部浩貴さんのお笑いコンビ「アップダウン」さんの“笑いと歌で伝える戦争”をテーマにした2人芝居。コロナ禍で公演が中止となったなか、戦後75年の節目にどうしても伝えたいとの思いから、会場使用料や撮影費など約150万円をお二人が負担して無料配信してくださった、並々ならぬ想いを感じる舞台でもあります(下記参照)

150万円自腹を切って伝える。お笑いコンビ「アップダウン」を変えた特攻隊への思い(中西正男) - Yahoo!ニュース お笑いコンビ「アップダウン」が特攻隊を題材にした二人芝居「桜の下で君と」を8月15日から1週間無料配信します。会場使用料や news.yahoo.co.jp  

「芸人の自分たちが、戦争(特攻隊員)を伝えるために芝居を作る」というメタ構造の舞台でもあり、だからこそ身近にも感じられ、胸に迫るものがあった(あと導入の「エアロスミス」ネタでしばらく笑い転げていた)。
特攻隊として一つの機体に乗って散った、17歳の少年兵と29歳の教官をそれぞれが演じ、時に笑いを絡めながらも実に真摯に、飾ることなく、あの時代に生きた「人間」を描いていく。音楽劇でもあったのですが「芸人」というイメージを超えるお二人の歌唱力に本当にびっくりしてしまった。教官役・竹森さんの透明感と包容力のある歌声、少年役・阿部さんの伸びやかで時に力強いまっすぐな歌声、そしてストレートな歌詞に何回も泣いた。
特攻隊の精神を美化することも卑下することもなく、生きていた生身の人たちの一つの選択として捉えるのは思いの外難しく、戦争を知らない世代だけが生きる時代になればなおのこと、どんどん困難になっていくのだろうなと思う。戦争で亡くなった敵も味方も、兵士も民衆も、あらゆる人びとのことも、現実味がわかない時代がくる。それに一石を投じるというか、楔を打ってくれる作品であったと思う。
9月2日(ポツダム宣言を受諾した「終戦の日」)からまた1週間配信してくださるそう!ありがたい。また改めてnote書きたいです。クラウドファウンディングも、されています!

アップダウンによる【戦争を伝える二人芝居】を応援したい!の支援者 | ACT NOW 北海道出身のお笑いコンビ、アップダウンが、二人のお笑い芸人の人生を賭けた挑戦である、特攻隊を題材とした2人芝居「音楽劇〜桜 actnow.jp  

『サンクユーベリーベリー』(20.8.20)

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『TRIANGLE-トライアングル-』(20.8.15)

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『RANPO chronicle彼岸商店』(20.8.15)

|| TUFF WEB -(株)TUFF STUFF公式サイト-||公演情報  舞台「RANPO chronicle 彼岸商店」無観客ライブストリーミングtuffweb.net

ほぼほぼゲリラ的に配信された(直前に告知があった)無観客公演。15日13時公演の《人間椅子A》を観賞(坂の上のエーリアンは音ズレに酔ってしまってちゃんと見られなかったのと、押し絵と旅した男は私の脳のキャパが足りなくて没入できなかった)。小さい舞台ながらも雰囲気があって、『人間椅子』は原作短編をさらにもうひとつの皮でくるんだような物語の構成がよかったです。導入で『ホントに人間椅子なの!?』と笑って、最後にぞくっとした。追いかけてる役者・生田輝さんの艶っぽいお声と演技も良かったな。生田さんのストレート劇が、好きです。夏にぴったりな1編でした。

『アタックNO1』(20.8.14)

アタックNo.1 | 演劇女子部 言わずと知れたバレーボール漫画、スポ根アニメの金字塔。 富士見高校に入学し、バレーボール部に入部しようとした鮎原こずえ。 gekijyo.net  

アンジュルムさん主演の舞台!個人的には、「スポ根」の舞台化の難しさを感じた(けど頭空っぽにして笑って見る分には楽しかった!)かな。相手校の出番が極端に少ないのが仕方ないとはいえ残念ー!個人的なMVPは石松役の室田さん。ダンスの動きも泣きの演技もビリビリっときた!是非また舞台に立つ姿を見たい。あとみどり様はちょろ可愛い。そして大沼先輩の登場歌はめっちゃ笑ってしまったし中西さんの圧のある歌声が最高すぎる。すき。
原作をどこまで忠実に舞台にするかは難しいところだけれど、スパルタに関してはもう少し現代に価値観を寄せても良かったのじゃないかなあ…ギャグになってしまったので…と思ったり(特訓が滅茶苦茶のでコーチの思いに感動できない😭)。あとカメラワーク!動きすぎな気がする!もう少し引きで観たかったなあ!ライティングが暗めでダンスの振りも中腰やうつむき気味が多かったのも気になったかも。でもやっぱり劇女さんが好きだし元気が出た!

『SMILE FANTASY』(20.8.10)

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『ごがくゆう』(20.8.8)

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天真爛漫な姫様とツンツン従者少女の青春の逃避行劇。最初の明るいノリからは全く想像できない展開にびっくり通り越して笑ってしまった(し、鞘師演じる姫様のたるや!)。散々観客の肝を縮めさせたものの、そこからちゃんと戻って(???)よかった…。リオンの「クレーム」にはぐっときたなぁ。クリアちゃんかわいい。あと、幼少期のはじまりの描写はちょっとないてしまった(ゆえにフェイを欠いた姫様がああなるのに納得してしまったのだった)。にしても、友達でも親友でもなく「ごがくゆう」なの、まだすとんとしてないけどどこかにピースがあったかな(Twitterより)

『ステーシーズ 少女再殺歌劇』(20.8.2)

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ファラオの墓~蛇王・スネフェル~』(20.8.1)

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『続・11人いる!東の地平・西の永遠』(20.7.30)

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『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』(20.7.28)

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この後8/7に感謝祭観賞(記録はまだ)

『星降る街』(20.7.11)

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『ピアニシモ』(20.6.13)

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『Play a Life』(20.5.31)

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スーパー歌舞伎 オグリ』(20.4.19)

松竹チャンネル、南座 スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』舞台収録映像を本日より公開|歌舞伎美人松竹が運営する歌舞伎公式サイト。歌舞伎の公演情報、ニュース、俳優インタビューなどをお届けします。こちらのページは、ニュースwww.kabuki-bito.jp 

 華やかな衣装と演出、主人公オグリと仲間たちの大立ち回り(殺陣もすごいけど舞台で水が湧いたり降ったりしててやばい)、後半の人と人との心の通い合いの描き方、全てが素晴らしくて贅沢な3時間でした。
 女型・坂東新悟さんの声や振る舞いの美しさ、芯の強さが印象的でした。市川猿之助さんの演技が舞台を歌舞伎たらしめてくれているのだとも。小栗党のメンバーも個性的で少年漫画みたい!笑 黒子さんも含め全員の熱量の伝わる舞台でした。パソコンの前で拍手したしバンド振りたかった…。
 原典では復讐要素が強いのかな?という印象だったのですが、価値観を現代に通ずるものに寄せながら、オグリの再生、新生に焦点を充てているのが素敵でした。スーパー歌舞伎すごい。生で観たい。

『髑髏城の七人・風』(20.5.11)

髑髏城の七人 Season風|TBSテレビ:IHI STAGE AROUND TOKYOIHI STAGE AROUND TOKYOで2017/9/15〜11/3公演の『髑髏城の七人 Season風』の公式サイwww.tbs.co.jp 

Twitter拾い上げ)風のらんべえはなんかこう、すごく大切にされてやんちゃしたことなさそうというか、信長のやんちゃをトレースしてる、みたいな印象 うまく言えないけど。
風のあらむしゃたいは、花より武闘派じゃない人たちの集まりだった感じがして、でもだからこそ、花と比べて派手さやシンボル性の薄い兵庫の本質に心から救われて敬愛してたんだろうなみたいな感じがあわわわもうだめ…えーん。お化粧してずっと女性のような言動をしていた一人も、いじられたりしないで自然にみんなの中にいてさあ、でもそのひとが最後にその「らしさ」を捨ててまで立ち上がって叫んで抗ったのほんと。
キャラ造形、演出ともに花は王道と言える美しさ華やかさ(人らしさ泥臭さすら含めての形としての完璧さ)があったけど、風は美しさ華やかさを可能な限り削ぎ落とした上で泥を塗って汚して人を表現した、みたいな、どちらも作り手の計算の上にあるんだけどベクトルの違う凄さ、みたいなのがある。
花沙の中性感というか純朴な未分化感を見た後だと、風沙はすごく女の子に見えるというか、恋の駆け引きも知っていそうな感じに最初は驚いたけど、そういう沙だからこそ風捨を花沙とは違った形で支えられるところもあるんだろうな~未来~。

『偽義経冥界歌』(20.3.19)

『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』公式生田斗真主演 2020年劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』www.vi-shinkansen.co.jp 

ライビュで観賞。ログ掘り返し中。

『髑髏城の七人・花』(20.3.12)

髑髏城の七人 Season花|TBSテレビ:IHI STAGE AROUND TOKYOIHI STAGE AROUND TOKYOで2017/3/30〜6/12公演の『髑髏城の七人 Season花』の公式サイwww.tbs.co.jp 

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(ログ掘り返し中。花狭の中性感が好き)

『Cutie Honey Emotional』(2020.2.7)◆

舞台「キューティーハニー・エモーショナル」あの名作がついに舞台化!豪華キャストにてお送りする舞台版キューティーハニー、その名も「キューティーハニー・エモーショナル」cutiehoneystage.com 

Twitterから)ハニステ、原作を知らなかったのでハニーたちがアンドロイドというのに驚いた。アンドロイドあるある(心の有無、人間と違うのか)な葛藤が薄いことに違和を覚えてたけれど、原作が発表された70年代てドラえもんとかとも重なってるし、あれがあの時期の最先端のアンドロイド観だったのかな。サイボーグ009とかもあの時期かな。技術の最先端に生きてる現代の私たちより、当時の人たちがめちゃくちゃ自然に、アンドロイドは人間と同じで、心があるという観点にいたの、なんか面白いなあと思う(し、その観点を現代に持ち込むと目新しくうつるのもまた「エモ」なのかも、と)。

WEST SIDE STORY Season1』(20.1.3)◆

WEST SIDE STORY Season1|TBSテレビ:IHI STAGE AROUND TOKYO『WEST SIDE STORY Season1』の公式サイトです。www.tbs.co.jp 

 一番印象に残って好きなシーンはマリアとアニータの“A Boy Like That” 「あんな男」(曲名はwiki参照しました)。正確に言うとI Have Love込み。目が三森さんを追いがちだったところもあるとは思うのですが。アニータの、ベルナルドへの想いや、彼を殺したトニー、トニーを愛してしまったマリアへの複雑な感情がマリアとの掛け合いのなかで共鳴して、やるせなくて許せなくて認められなくて、でも「愛してしまった」という感情があまりにも「わかって」しまう。「愛してしまった」マリアの感情とアニータの感情が、一本に収束していく感じがすき。アニータというキャラクターの性質なのか、演じる三森すずこさんの性質なのか両方なのか、アニータの、清らかで淫蕩(あるいは奔放)、苛烈にして時に慈悲深くうつる、相反する性質が共存する感じがめちゃくちゃこのみでした。

 

『まわれ!無敵のマーダーケース』(19.12.20)◆

2019/12/20〜25 トリプルコラボ公演・舞台『まわれ!無敵のマーダーケース』出演情報 - クィーンズアベニュー公式サイトトリプルコラボ公演・舞台『まわれ!無敵のマーダーケース』 2015年5月に舞台「恋するアンチヒーロー」 2016年6月に舞www.queens-ave.com 

めちゃくちゃ笑ったー!!!最高でした!!!痛快でキャラが濃くて個性豊かであーー地方住まいなのが残念すぎる😭みんな私のぶんもみて…(ネタバレを避けるために以後言及してなくて「馬鹿―!」となる)

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『空中キャバレー』(19.7.24)◆

 どんな舞台だったかというとキャストさんに鳴り物と光り物を勧められ観客全員エレクトリカルパレード。観客も歩いて踊るし、舞台が始まる前からもう舞台が始まってる。私もぴかぴかする王冠を頭につけぴかぴかするハンディーハンドを拍手の時に振りまくりました。冒頭、ピエロさんたちがコミカルでかわいくて、最初の袋取り出してオロロロロロロってなるとこあまりに面白可愛くてきゅんとしてしまった。
短編集、群像劇のように小さな物語の欠片をつないで空中ブランコやジャグリングなどのサーカス演目が次々と巡っていく。何故芸術館建物の裏手が入口なんだろ、ここは建物のどこだ…と思ってたら途中で緞帳が開いて目の前に客席、2階席にわたした綱を渡る男性がどーんと現れ「あ、私達がいるとこが舞台ーー!!!」ってなったのが凄まじく鮮烈で大感激でした。隣のおばあちゃんが「もう冥土のみやげになっちゃうわあ」って言いつつ終始めちゃくちゃ笑顔で私もニコニコになった。小さい子供も大はしゃぎですごい舞台だったなあ…隔年公演なので次の公演は2021年!

 

観返したい作品とか諸々のメモ

再度観て感想書きたい作品

・『Cutie Honey Emotional』(2020.2)
・『魔法少女マジカルジャシリカ
・『こっちにおいで、ジョセフィーヌ
・『偽義経冥界歌』(2020.3)
・『髑髏城の七人鳥』(2020.11.3)

円盤が手許にあったり注文したりしたけどまだ観れてはいない作品
・『アテルイ』(劇団☆新感線
・『髑髏城の七人』花鳥風月極BD-BOX(劇団☆新感線
・『トーマの心臓』 5DVD-BOX(スタジオライフ)

私を舞台沼に落とした作品
・『少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト
語らないけど新作公演と青嵐公演ずっとずっと待ってる…。

観た映画メモ
・「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
・「ミッドナイトスワン」(20.10.26)
・「羅小黒戦記」(20.11.12)
・RRR(22.11)
アイカツ! 10th Story ~未来へのStarway~(23.1)
ゴジラ-1.0(23.11)

 

・謀議
ヒトラー 〜最期の12日間〜
夕陽のガンマン
・素晴らしき戦争
・鎌倉殿の13人(未完走)
プライベート・ライアン(冒頭)

【観劇記録】『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』

U-NEXTで10月末まで配信している「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」を観ました。心のお肌がツヤツヤになりました

あらすじ
雨降る森のサナトリウム。吸血種の少女たちが療養するその施設で、シルベチカという少女が失踪を遂げる。友人であったリリーは消えたシルベチカの行方を探すが、サナトリウムの少女たちは誰もシルベチカを覚えていないという…

まず、少女(一部少年)たちの名前が全て花由来なのがストーリーもあいまって最高。少女たちが過ごすその箱庭ーーサナトリウム(劇中の名称は「クラン」)は体裁的には「学舎(ギムナジウム)」でもあるのがまた良い。

キャストさんが最高。私は初めて知ったのですが、キャストさんは全員ハロプロ所属のタレントさん。アイドルグループの方達なのかな(このへん本当に疎くて…)。歌が、画面越しでも観てる側の内側を直接揺さぶるような声量、迫力、情感で、震えました。ダンスもキレッキレ。カッコ良さも可愛さもぎゅうぎゅうに詰まっていて、生命力の塊を目の前にしているかのよう。精神的な不安定さと(この状態を繭期という)を抱える少女たちの危うさ脆さ、豹変、躁鬱の変化が、「演技」と感じさせず本物として舞台上で爆発していた。個性豊かな役柄で、すぐにキャラクターの顔と名前も一致したのも、キャストさんの力あってこそだと思います。一人一人お名前や出演作覚えたいな。

あとねあとね。衣装が最高。白を基調に黒の差し色、華美過ぎない、けれど可憐なフリルにレース。少女たちが舞うたびにふわりと舞うドレスの裾。たまりません。衣装の違いとかあとでじっくり分析したい。衣装の黒の割合とか、とあるキャラの非対称のケープとか、まじまじ観察し直したいです…。あと靴のかかとめっちゃ高いすごい。

舞台に衣装に色を着けるのが光(ライティング)であるのも最高。この世の物質そのものに色はない(光の透過度が違うだけ)、ということを改めて実感する。クランがある「雨の降りしきる森のあおみどり」が、人工の光でも表現できるのかと目を見張る。特に中央のライトが好き。目の前に人が立つことで隠れ、わずかに人がずれると(映像だと)一瞬環状のひかりがきらめくのにときめいてしまった。

「しんどい」「地獄」(共に褒め言葉)とTwitterのフォロワさんの中で名高い「TRUMP」シリーズの一作(私はまださわりしか知らない)なのですが、苦しい辛いよりも高揚感と快感の方が圧倒的に強くて、冒頭の通り観終わった後お肌がツヤツヤになった気持ちになりました。あと「イニシアチブ」という言葉を強烈に使いたくなります。「取ったわ、イニシアチブ!!!!」

シリーズ独自の設定がぽろぽろ出てくるのですが、いずれも丁寧に、けれど説明的過ぎずにテンポよく作中で解説してくれるので、初心者にも大変に大変に優しかったです。

結末だけを額面通りに捉えるなら「HAPPYEND」とは言いがたい作品ですが、私としては「観たい」と思う展開を、逃げずに真正面から、この上なく美しく凄絶に描ききってくれた(そして終わることのない、連続性を感じる)舞台、という印象でした。めちゃくちゃよかったです。サントラ付きDVD、買いました。これでいつでもお肌ツヤツヤになれるぞ!!(ネタバレ感想はmemoの下にあります)

ところで、「繭期」から連想されるのは白い繭だと思うのですが、白い繭をつくるお蚕さん(家蚕)は、習性的にはもはや「家畜」に近く、自ら逃げ出すこともしない/知らないし、自ら餌を探すことも敵から身を守ることもできず、人の手を借りなければ生きて行けない。林や野原に放してものたれ死にするだけ――ということを、作品を観ながら考えていました。
(一方で、家蚕として人に頼りきりで生きる蚕のほうが生存率が高かったから、結果そういう種が残ったって考えるとこれもまた、面白い)


*memo*(公式サイト
リリー:鞘師里保/スノウ:和田彩花
ファルス:工藤遥/マリーゴールド田村芽実
紫蘭福田花音/竜胆:譜久村聖
シルベチカ:小田さくら/キャメリア:中西香菜
チェリー:石田亜佑美/カトレア:竹内朱莉
ローズ:鈴木香音/ナスターシャム:勝田里奈
マーガレット:佐藤優樹/ジャスミン田辺奈菜美
クレマチス:加賀 楓/ミモザ佐々木莉佳子
Staff
脚本・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
振付:YOSHIKO
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
主催・企画・制作:BS-TBS/オデッセー


以下個人的な初見ネタバレ感想メモ(箇条書き、追記すると思う)
・でてきた瞬間から監督生コンビ好きでした特に紫蘭ちゃん。二人が「親方様」に恭順してクランを維持してきたのは、お互いあってこそ(お互いを忘れたくなかった)の部分もあるのではないかなあと思うと泣ける。表立って後輩たちへの厳しい役を引き受ける紫蘭を、二人の時は竜胆が甘やかしてあげてほしいこれは妄想です。
・てっきりあらすじから「リリーとシルベチカ」の物語だと思っていたのに、どう見ても衣装の対というかセットが「リリーとスノウ」だったので気にしていたら、この二人の物語だった。二人の物語、といっても「親友」だったころの記憶を持っているのはスノウだけ(リリーもうっすら思い出してる描写はあったけど、完全に思い出したのかな…)っていうのが切ない。50年ほど前に記憶を保持できるようになったスノウが、誰とも深く関わらないことを選んだ気持ちを考えると胸が締め付けられます。元から物静かな子だったのかな。そうでない気もする。
マリーゴールド。ダンピールでありながら一番ヴァンプの「繭期」っぽい印象の子だったな。彼女から見れば手を差し伸べてくれたリリーは本当にひかりだったのだろう。そこはかとなくダウナーで猫背の時と、リリーのために行動する時の狂気めいた表情のギャップがたまらない。
・キャストさんの演技ももちろん素晴らしいんだけど、音響が結構すごいこと、ないでしょうか(いや詳しいことわからないけれど)。ささやき声すらよく通る(けれどうるさくない)あの感じ、音響の妙でもある気がする。
・ファルスは出てきた時から(こいつ全部知っとるやろ…)と思っていたらまさに中心人物だった。少年めいたお声、素なのでしょうか。作っているとしたら喉にすごく負担がかかりそう(でもすき)…と思っていたら、終盤哄笑と絶叫の嵐で「ひょえええええええ」ってなりました。凄まじい。すごい。リリーにすがりつく時の表情好きでしたし、すっと� ��情が冷めて「時間ならたくさんある」と笑みを浮かべるの、人離れしてて最高でした。
・彼がさって閉幕?そんな…と思ってたらリリーの不死が発覚して「うおおおおおお」とテンション爆上がりしてしまった(人でなしの自覚はある)。あれほど忌避し、友人たちを殺してまで阻止しようとした不死の道にふみ入ってしまったリリーは、彼のように壊れて人ならざるものとなるのか、あるいはまた違う壊れ方をしてしまうのか…これは続編とかで語られてたりするのでしょうか。リリーは本当に、心底、不憫(という言葉では足りない)なんだけど、私は蠱毒のごとく誕生した新たなる「TRUMP」に、歓喜してしまった。不死の孤独と不老の歪さを抱えて生きていく「少女」のいく末が見られるのを、残酷にも、心待ちにしている自分がいる。
・シルベチカがもっとも自分のことを忘れないでいてほしかったのは、彼女が愛したキャメリアだと思うのですが、リリーの記憶の中では彼女に宛てたことばでもあるように聞こえるのは、二人にどんな繋がりがあったのだろう。キャメリアがイニシアチブで記憶に蓋をされても「忘れてはいけないことを忘れている」とひたすらに思って、女子寮に通ってたの…泣いてしまう…。
・チェリー、叫んだりなんだりでめちゃくちゃうるさい(褒めてる)けど一番みんなのこと見て追っかけてあれこれしてるのにっこりしてしまう。匂い気にしちゃうところも可愛いし、勇気ある武闘派で笑ってしまった。飛び蹴り勇ましかったな…。
1時回ってしまった。また追記します!

追記
・最後にリリーの夢の中で去って行った少女達が一瞬の暗転で死んで倒れている配置に戻ってるのすごくないですか??毎回思うんですけど暗転したときの舞台上ってどうなってるの。すごい。あとオルゴールみたいにゆっくり回転する動作、めっちゃ好き…(グランギニョルのキャスパレもyoutubeで見たのですが、それにもあって「あー!すきー!ってなりました。笑)
・不老の解けたシルベチカには時が一気に戻って来た…ってことは、彼女たちの不老(永遠の少女)は表面のものであって、その奥底には流れる時がTRUMPの血によって隔離されているイメージ、なのかな。シルベチカは不老であることを拒否したけれど、愛するキャメリアには老いさらばえる自分を見られたくないっていうのがとても繊細で複雑だなあと思った。
・クランの少女達は老いない花=「造花(つくられた不老の吸血種)」なんですよね。でも元は生花でもあった…。人間?というか入学(入院)前はどうやって過ごしていたのだろう…その辺が二輪咲きで触れられてるのかな(ちょっと調べた)。
・繭期、私は所構わず突然少女達が豹変してバトルロイヤルが勃発するくらいの不安定さだと思っていたので、比較的真っ当というかどちらかというと、不安定な内側の発露・爆発と言うよりも精神的の欠損による虚無・沈静みたいなイメージ。
・カトレアたち仲良し3人組可愛かったしマーガレットと親衛隊も可愛かった。でも彼女たちこそ、記憶を喪ってもひたすらに同じ道・思考をたどっている気がして、それは本当に彼女たちの意志なのか?と不安にもなる。
・ファルス=昼顔(False bindweed)って言うのがぱっと浮かばなかったので英語の「false」が真っ先に浮かんでたんだけど、これって「True(of vamp)」に対する意趣返しの側面があるのね!
多分また追記するし2週目が見たい(中毒)

恋愛メインというよりも人と人が描かれた少女漫画がすき+α

中学生の時はりぼんっ子でした(なかよしも読んでいたけれど)。世代が完全にばれますが、有名どころだと種村有菜さんが「満月をさがして」を連載されていたころ。

Twitterでりぼんの付録が話題に上がっていて(その賛否は私も色々考えたけどひとまず置いておいて…といったが最下部に追記してある)、今はどんな連載があるのだろうと公式サイトを覗いてみた。私が読んでいた時にデビューされた春田ななさんや酒井まゆ先生が現役作家なことに改めて感慨深くなったりしつつ…。そういえば一時期話題になったし同じ集英社の漫画アプリでも公開されてた「さよならミニスカート」、休載になったまま1年以上経っているのか。続きが気になっています。

ところで、連載作の1話を試し読みをしたら、「あ。すきだな」と思える新しい作品との出会いがありました。

ふたりのポラリス 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)www.amazon.co.jp 460円(2020年07月25日 20:47時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

上記の公式サイトで1話丸っと読めます。りぼんなのに女の子二人の表紙って珍しいな…と思って刊行されている2巻まで購入。
少女漫画だと、親の再婚で連れ子の男女が一つ屋根の下で暮らすパターンはそこそこ見かけるけれど、「ふたりのポラリス」は再婚で家族になる少女と少女のお話。

友達と無難につるみつつ「リア充」っぽい学校生活を送る星(ひかり)と、同じクラスでパシリ扱いを受けている深月の二人が主人公。

星はおしゃれで明るく振る舞う子だけれど、その実親の離婚を経て人間不信気味。わがままを言ったり甘えることが苦手で、誰にも本音を言えない。普段一緒にいる友人たちとも心の中で距離をおいている。深月は、周りからはられた「不器用」のレッテルから自己肯定感が低く、無意識に自分を卑下してしまう。けれど人に対しては疑うことを知らない素直さで接することができる。

正反対のふたり(でも似ているところもあるふたり)は、自分にないものを相手に見て、相手を尊敬し、ときに助け合い、手を差し伸べ合う。

1、2巻では、深月の人と向き合うことを諦めない真っ直ぐさと優しさを知った星が、自分が引いていた友人たちとの一線をも無意識に超えて「深月の良さを周りにも知ってほしい」と奮闘するところが良い。もちろん深月も頑張るわけで、その頑張りが星の心を動かすのですが…。
3巻予告からは、深月が星とその友人の輪の中に入ったことによる変化が垣間見えます。人に深入りしないように付き合ってきた星が、人に体当たりした上で受け入れられていく(そして自分が一番にみいだした)深月の姿をいつまでも手放しで喜べるはずはなく…(わかる、わかるよ星)。でもでも、星の本音を唯一受けとめたのは深月で、星の良いところにいちばん目を止めていているのもまた深月であるので、展開の先で、二人が一緒に笑えていればいいなあと思います。

好きなシーンは2巻の、いつも他人のことばかり考える深月に星が「(それならば)私が深月のこと考える」と伝えるところ。星も、良い子なんですよ…。だからこそ彼女の視点で見る深月の良いところがよりいっそう、きらきらして見える。


少女漫画、今もちょこちょこ読んでいて、今購読している雑誌は「lala」と「lalaDX」です。単行本を買っているのは「図書館戦争」「天堂家物語」「琉球のユウナ」あたりかな。

あ、あと雑誌は買ってないのですが、この作品にはまってます。

シンデレラ クロゼット 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)www.amazon.co.jp 481円(2020年07月25日 20:48時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

地方から状況したもののキラキラした大学の雰囲気に馴染めない主人公・春香に、メイクで「魔法をかけた」美女・光は実は青年(でも普段着は「似合うから」という理由で女性服)で…という物語。春香が片思いをしているのは光ではなく大学の先輩。でも、春香は恋愛してる一方で、男でも女でもなく友人で恩人の「光」という一人の人間をどストレートにめちゃくちゃ大切にするんですよ…。そこが好き。そして光がそんな春香にほだされてしまうのもしかたない。でも光は春香の気持ちを知っているので、あくまで友達の姿勢に徹していて、そこにも「くーー」となってしまう。光の女装や家庭環境には何かがあるようですが、あまり重くないといいなあと勝手に願ったりしている。ときめきつつもフラットな気持ちで読める、続刊が今いちばん楽しみな少女漫画。

多分「恋愛」が前面に押し出された話よりも、少女漫画だからこそかける恋愛だけじゃない感情の繊細さとか機微みたいなものに焦点を当てられた話が好きで。オススメの短編集も紹介させてください。

おやすみメモリーズ (ちゃおコミックス)www.amazon.co.jp 462円(2020年07月25日 20:48時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

数年前に書店で表紙買いして、そのあと電子でも買った。良い意味でちゃおらしくない物語が詰まってます(もちろんときめきもあるけれど)。表題作は失恋した少女が海辺でシーグラスを拾う少年と出会う…んだけどそこからラブに落ちきらないのがとてもいいので全人類に読んでほしいです。共感覚を扱った短編も好き。

星屑クライベイビー (マーガレットコミックスDIGITAL)www.amazon.co.jp 418円(2020年07月25日 20:49時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

こちらも多分「おやすみ〜」と同時期に買った。渡辺カナさんのタッチが好き、だし、こちらも少年視点だったり、同性に恋する幼馴染に恋した女の子だったりという、少女漫画のどまんなかから少しそれた、でも人と人の心のかよいあいが繊細に描かれている短編集です。「ふたりのポラリス」が好きな人は、渡辺カナさんの「花と落雷」もお好きになるかも知れない。少女と少女の物語です。

世界で一番早い春(1) (Kissコミックス)www.amazon.co.jp 462円(2020年07月25日 21:38時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

思い出した順に話をしてすまないのですが、川端志季さんの作品も好きです。「宙をかけるよだか」も「箱庭のソレイユ」も、あと「僕のポラリス」も続刊待ってる…。「世界で〜」は、病気で亡くなった先輩の遺作(漫画)で漫画家として成功した主人公が、過去にタイムスリップしたことから先輩を救おうとする、いわゆる「ループもの」。各巻で明かされる情報と、最新3巻の引きが強すぎて、早く続きが読みたくてたまらなくなる…。

書きたいままに書いてしまった。あと私がいちばん、いちばん、全てのジャンルの中で好きな少女漫画は、成田美名子さんの「NATURAL」です。いつかこの作品についてもがっつり語りたい。

「恋愛」を主軸にひととひとを描く漫画があっていいし、逆に、ひととひとを描いた結果行き着いたのが「恋愛」だったという漫画も好きだし、もちろんその関係が「恋愛」という名前がつけられるものでなくてもいい。ひととひとが描かれている漫画が好きです。少女漫画、は繊細な絵柄や間の取り方が、言葉で表しきれない「人間」を描くのにとても適していると思う。好きです。


追記
置いておいて、と言ったけれど、Twitterで話題になっていたニュース

ORICON NEWS:『りぼん』異例の付録“婚姻届”狙いは読者開拓 結婚憧れる“女子あるある”共感 - 毎日新聞 ウエディング情報誌『ゼクシィ』とコラボを実施中の少女漫画誌『りぼん』(集英社)では、8月号の付録として婚姻届がついていmainichi.jp

連載の一話も読んだ上で。一応「連載と関連付けて」というのはわかるし、書面もプロフィール帳みたいな雰囲気だなあと…だからこそ、べつに「ゼクシィ」冠さなくていいじゃん、と私は思う。

これは私自身の所感なのだけれど、私にとってのゼクシィは「読みたい人が自らの意志で読む本」で、その本の欠片というかコンセプトみたいなものが、まだ自分の意思決定を持たない子どもたちに与えられることには忌避感があります。
でも、漫画読んで「お嫁さんになりたい」とか「結婚したい」って思って、それがひとつの指標になるのは全然おかしくないし、その方向性が途中で変わったとしてもそれも別に悪いことでもないから、漫画には今後も子どもたちが夢を見る、多様な未来を思い描くきっかけをたくさん作ってほしいなと思う。

そもそも人と人が出会って関係性を構築していくのは奇跡と努力が合わさったすごいことなのだと、友人の結婚報告を受け取る歳になった今、切々と感じる。人と心を通わせることに焦がれるのは私だってそうで、ただ「結婚(婚姻)」という、現代人の生き方や社会のあり方といまいち噛み合ってないように感じられるシステムと、それをとりまく固定概念に疲弊している。

「結婚以外にも幸せはある」って言葉をよくきく。そうだと思う。でも一方で、誰かと結婚したい(一緒にいたい、暮らしたい)ひとが本人にはどうしようもない理由や状況でできない社会でもあるわけで、そんな人たちにたいして「結婚が幸せのすべてじゃないよ」なんて言えやしない。結婚してもいいし、しなくてもいいし、変わってもいいし、変わらなくていい。恋愛してもしいし、恋愛じゃなくても良い。そういうことについて延々と、考えていたりします。

【観劇記録】『星降る街』

朗読劇「星降る街」、情報解禁! | De-LIGHT朗読劇「星降る街」【日時】2020年7月7日(火)〜13日(月)全12回公演 【あらすじ】七夕目前、「神様が棲む」と言われdelight-act.com
あらすじ
七夕目前、「神様が棲む」と言われる地方の街。
そこで生まれ育った和彦は、昔から一緒に過ごした友人に突然、記憶を忘れられてしまう。記憶喪失を疑った和彦は、幼馴染である詩織たちと共に記憶を思い出させようとするが、一向に戻らない。
それどころか、和彦に関する記憶の喪失者はさらに増えてゆく。
和彦のまわりで一体何が起きているのかー?
大切な誰かの悲しみを打ち消そうと起こした波紋は、より多くの人々の悲しみを想起させ、人間の生きる希望と喜びを浮き彫りにしてゆく。

ストレートな脚本・台詞運びの物語で、だからこそ終盤の役者さんたちの感情が爆発するような表情や声音に心が持って行かれました。舞台は「地方の街」になってますが「おやき」と「野沢菜」が台詞で出てきたので、多分信州だと思います(信州民)。

メインの幼馴染5人は男3人女2人の構成。私が観た回はその全員を女性の役者さんが演じていました。ストレートな話だけに、女性が演じる男性(少年、青年)特有の濁りのなさというかまっすぐさみたいなものがぴったりと噛み合っていたと思います。10年以上一緒にいた幼馴染たちが、進路やとある事情から離れたりどこかちぐはぐになっていく。けれど一つの願いが、紆余曲折ありながら5人をつくろいなおして行く…そんな物語でした。

朗読劇なのもあって、動きは少ないです。それもあって、私は序盤(と物語の流れが読めて、場面の繰り返しがある)中盤、はちょっと集中力は途切れ気味でした(でも終盤で一気に引き込まれた)。一方、役者さん同士が距離は離れていてもシンクロした動きや掛け合いを見せてくれたりする様子や、その時のしっかり表情まで観られるのは本当に配信の特権だと感じました。生の劇場では席によっては全く表情がわからないことも多々あるので…。

声優の名塚佳織さんが「語り」で出演していらっしゃるのですが、語り手の役どころ役作りが意外で「おおっ」となったり、など。それぞれ男性を演じる、和彦役・生田輝さんはまさに幼馴染5人の中心にいるにふさわしいカラッとした好青年、洋平役・遠藤三貴さんは少し子供っぽくてお調子者だけれどもみんなをしっかりと繋ぐ三枚目、裕人役・永瀬千裕さんは一歩引いてみんなを見てるけど思いやり深い二枚目(脳内)といった雰囲気で、それぞれの個性が際立っていました。真央役の山口立花子さんは、みんなが大切だから特に心配したり、不安がったりするなかで、川ではしゃぐシーンがあまりにもいとけなく可愛らしくて「真央…」となりました。
そして。物語のキーとなる詩織役・富田麻帆さんは、終盤の爆発力が凄まじいです。詩織の和彦への想い、幼馴染みんなへの想い、願いを全身全霊で演じる(というかもう憑依して変化してる)シーンを観るだけでも「観てよかった」と思わされます。本当に。

生配信朗読劇で15日までアーカイブを閲覧できる仕様です。
7月13日まで、キャストさんが入れ替わりながら上演されています。7月の七夕の時期に観るのにふさわしい、少し切なくてけれどもまっすぐでいとおしい物語でした!あ、キャストさんのアフタートークもとっても楽しかったです…!


*memo*
脚本・演出:吉田武寛
音響:DISCOLOR company
演出助手:加治幸太
衣装:小倉真樹
宣伝ヘアメイク:madoka
制作:秋山良介
プロデューサー:夏樹弘
11日マチネ・和彦:生田輝/詩織:富田麻帆/洋平:遠藤三貴/裕人:永瀬千裕/真央:山口立花子/語り:名塚佳織
公式Twitter


以下個人的なネタバレ感想メモ(箇条書き)

・青年役の生田輝さん(追いかけてる役者さん)があまりにかっこよくて目が焼かれてしまいました。あと男性役3人が演技中は足を開いて座ってるところとか細かいところの所作がすごく好き。
・和彦は自分が死んでいるとわかったあとも、どこか落ち着いていて、1番に遺される人たちのことを考えるところが好きだなあとなりました。あるいは彼自身もどこか早い時点で、気が付いていたのかもしれない。
・真央は和彦のことが好きだったのかなあ…と考えつつ(「付き合ってたの?」とあの場面で聞くのはいろんな意味にとれるなと。そしてそれが真央にとっての「後悔」だったんだな…)、幼馴染の絶妙な均衡を崩すのって怖いよねとしみじみする(が私にはそんな経験はない)。
・全員が白い衣装なの清潔感があって(あとどことなく現実感が薄れる感じが)好きでした。背景と同化させないためでもあったのかな。
・麻帆さん鼻水でるまで全身全霊で、それを拭うこともなく最後駆け抜けていく姿、見ているときは麻帆さんであることを忘れてました。本当に詩織だった。
・和彦と詩織はまさに「彦星」「織姫」からの名付けなのだろうな。喪失の後、遺された人には「会いたい」と「いっそ忘れてしまいたい」が表裏一体にある。最後の流れ星を見るシーンは美しくてあまりに切なくて、でも未来に向かって和彦が道を開いて背中を押すみたいな感じが、もう、もう…となった。
・神木の存在が思っていた以上にファンタジーで、そこにちょっと私の中では没入を妨げられる部分があったんだけど、詩織と神木のつながりと、最後に未来へと繋がる芽を見つけるシーン(ここまで読めてはいたけれど)にほうっと息をついた。いきていく4人の未来に、ひかりがたくさんありますように。そしていつか、またふたりが巡り会いますように。



【映画記録】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ | 6月12日(金)全国順次ロードショー映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』6月12日(金)全国順次ロードショーwww.storyofmylife.jp

 最寄り映画館のレイト回、劇場貸し切り状態で観ました。
 ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語(現代:Little Women)」を新たな視点で映画化した作品。ネット上に素晴らしいレビューがたくさんあるので、私はあくまでも私が感じたことのメモ書き、という感じです。多くの人に観てもらいたい映画であることは間違い在りません。ぜひぜひ。

▽▼▽

 四姉妹の、少女時代を描いた上巻を暖色、大人の厳しい現実を描く下巻を寒色のフィルム(という言い方で良いのかな…フィルター?画面?)で表現し、ジョ―を中心にしてふたつの色と時間軸を行ったり来たりして物語が進む。やわらかい西日のきんいろと、さえざえとした夜明けの青という印象で(不思議と陰鬱な空気はなく、心地良い)。映像がとてもやさしく、うつくしかった…。 

 前情報ほぼなしで劇場に向かい、知っている役者さんもメグ役のエマ・ワトソンさんだけ。鑑賞後に監督の他作品を観たいなと思って公式サイトへ。レディ・バード、観なくちゃ。

「女性がアーティストとして生きること、そして経済力を持つこと、それをスクリーン上で探求することは、今の自分を含む全ての女性にとって、極めて身近にあるテーマだと感じています」――グレタ・ガーウィグ監督

 映画の公式サイトに描かれた監督の言葉。私はあまり「女性監督」という言葉を使いたくないのだけれど、でも同じ女性として「この映画を届けてありがとう」と思う人はきっとたくさんいると思う。私もそう。二十代後半を一人で生計を立てて生きている自分が、今このときに出会えて良かったと思った映画でもありました。
 一方で、160年も前に描かれた物語の人間(女性)の苦悩が、ほぼほぼそのまま現代でも通じるってどうなんだ、と愕然としたのが正直な気持ち。素晴らしい映画だったからこそ、その絶望も大きい。つらい。そんな社会を構成する一人として、私はこれからどうすればいいんだろう…。

 でもでも。小説家の道を歩むジョ―、愛する人と慎ましいながらも温かい家庭を築くメグ、画家の道を諦めて家と自身のために(きっと愛もあるけど)結婚するエイミー、をどれも否定することなく描くまなざしは本当にあたたかくて、救いでした。ジョ―の選択もまた、実際に生きたジョ―、出版された物語に描かれた(結婚した)ジョ―、そして描かれるはずだった(一人で生きた)ジョ―、と枝分かれしていているのも、好きだったな。

「結婚だけが女性の幸せじゃない。だけど、たまらなく寂しいの」

 このジョ―の台詞(と同調する私自身)を、最後に生身のジョ―と物語のジョ―たちがすくい上げてくれた気がした。

 夭逝したピアノを愛するベスは、少女のままだったなということをぼんやり考えていました。亡くなった彼女を指す「天使」という言葉が台詞の字幕に出たけれど、天使=良い子だったから天に召された、っていうのは遺された人たちの願いなんだよなあって…かなしい…かなしい…。ベッドにいないベス、で分岐する暖色と寒色のシーン、泣いてしまった。というかベス関係は全部泣いてました…。そういえば何となく、色白の肌に血がさすあったかそうなほっぺの色の印象なのか、ベスは寒色の画面でも暖色のイメージがあります。それもまた「少女」の印象を強めているのかも知れない。

 ところで、私がかろうじて読んだことのある「若草物語」は、幼いころの家にあった世界名作劇場(ハウス世界名作劇場)を本にした挿絵つきの「愛の若草物語」だったのですが、これは第一部のなかのさらに一部、という感じだったので、映画の初っぱなでローリーがジョ―に振られたことが発覚して「そうなの!?!?」となっていました。笑 

 鼻を高くしようと鼻を摘まむエイミーだとか、ローレンス老とベスのピアノやスリッパのくだりだとか、金策のために自慢の髪を切る(そしてその後影ながら泣いてしまう)ジョ―だとか、しっかり者だけれどもロマンチストなメグだとか…そうそう、こういう物語だった、と随所で懐かしい記憶がよみがえってきてにこにこしました(しベス絡みはだいたい泣いてた)。ローレンス老…あまりにすてきおじいちゃん…そして娘とベス二人を喪ったことを思うと…。

 ジョ―とエイミーの関係が鮮烈でした。少女時代のエイミーが置いてけぼりにされた腹いせにジョ―の大切な原稿を焼くシーンだとか、髪を切って涙するジョ―に寄り添うのがエイミーだとか、小説家になったジョ―と画家になることを諦めたエイミーの対比や、ローリーとの絡みだとか…。ジョ―とベスの姉妹と言うよりも親子並みの深い深い愛の繋がりも大好きなんですけど、ジョ―とエイミーの触れあったら火花が散りそうな、でもどこまでも互いを認め合っている(そして憧れ合ってもいる)ような…そんな空気感が好きでした。そこはかとなく妖精っぽい雰囲気と苛烈さを持ち合わせるジョ―役=シアーシャ・ローナンと、チャーミングなのに冴え冴えとした雰囲気のあるエイミー役=フローレンス・ピューも素敵だったな…。メグ役をエマ・ワトソンが演じるのは、あまり芸能界の人たちに詳しくない私でも意味深に感じたというか、彼女だからこそ演じられた役だなと思いました。ベス役=エリザベス・スカンレンのやわらかな空気や表情、それでいて透明すぎない透明さ(ふわっとしたヴェールのような)感じも好きだった。

一方で、主題からずれるからあえて詳細は描かれていないとわかってはいても、四姉妹の父が黒人奴隷解放のため北軍の従軍牧師として出征したことなどをふっと考えたりもする。

なにひとつまとまってないので後々追記するかも知れない。パンフレットが劇場で買えなかったので取り寄せ中。楽しみ。

「女性は結婚するか死ぬかだ」
「女優になるか、売春宿の女将をやるか、それとも結婚してまともな人生をおくるか」

memo
レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組み、ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化。南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描く。しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリーからのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。ローリーを「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ、長女メグを「美女と野獣」のエマ・ワトソン、末っ子エイミーを「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、4姉妹の母をローラ・ダーン、伯母をメリル・ストリープが演じるなど豪華キャストが集結。第92回アカデミー賞では作品賞はじめ計6部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した。
映画.com』より