KANGEKI-LOG

観劇とか感激とか思考の吐き出しとか

【観劇記録】SMILE FANTASY

アイドルがアイドルを演じる2時間の「演劇」があまりに愛と夢と希望でアイカツでディズニーだった

疲れてるあなた、元気がでないあなた、泣きたいのに泣けないあなた。2時間だけ空いてたりしません?スマホだけ用意して(パソコンでも良いけれど)。

□ミュージカル/歌が好き
□アイドルが好き
アイカツやプリパラが好き
□ディズニー/パークのショーが好き

一つでも当てはまったら観て欲しい。それがこの、ジュークボックスミュージカル『SMILE FANTASY』。なんとU-NEXTで配信していて、今登録すると1カ月のトライアル期間中に無料で観られちゃう。何も考えずとりあえずクリックして浴びてほしい。

なお仕事がうまくいかず心身がどん底だったときに偶然浴びた経験者(私)はこう言ってる。

「愛と夢と希望のエレクトリカルパレード(28歳・会社員)

「泣けて笑えるぜんぶがやさしさでできたおクスリ」(20代・女性)

アイカツ無印全178話を一気に摂取した並の多幸感」(アラサー・人間)

この「演劇(舞台)」に出演する役者は、アイドルとして活動する6人の少女。彼女たちに与えられた役は、自分の分身とも言える「アイドルの少女」。6人は、ライブの打ち上げでお泊まり会をして、ピンクのふわふわのパジャマを着てパーティーして、恋を夢見て、いっぱい歌って踊って笑う。底抜けに明るくて楽しい、そしてちょっぴり切ないミュージカルだ。もうここから下は読まなくて良い。上のリンクから浴びて。
歌が素敵、ダンスも素敵、存在すべてがかわいい(ときどき格好良くて、艶っぽい)。最高だ!観てきて!

※動画は公式が公開している千秋楽のメイキング映像

スマイレージDVD/演劇女子部 S/mileage's JUKEBOX MUSICAL 『SMILE FANTASY』www.amazon.co.jp 5,000円(2020年08月11日 12:33時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

以下、いつも通りの観劇note

…頑張ってオススメ記事を書きたいと思ったのですが無理そうなのでもういつも通り感じたことつらつらつづります。

あらすじ
もうひとりの自分と出会う冒険。
アヤカ、カノン、カナ、アカリ、リナ、メイミの6人の少女たち。
アイドルとして人生を送る彼女たちは、ある日、不思議な世界へと足を踏み入れる。そこは、もしも彼女たちがアイドルになっていなかったら生きたであろう「もうひとつの人生」。
彼女たちは if世界 で、自分ではない自分の人生を生きることとなる。
作品を彩るはスマイレージの数々の楽曲とこの作品のために書き下ろされる新曲!武道館公演を迎え、さらにそのNEXTへと向かう等身大のスマイレージが挑む、ポップ&キュートなジュークボックス・ミュージカル!!

劇女さんの舞台はこれで8本目かな(感想書くの追いついてないんです…笑)。でも相変わらず私は舞台上の彼女たちしかほぼ知らないままで。今回も「スマイレージは確か、アンジュルムの前の名前」くらいの認識でした。

で、「スマイルファンジー」は正直(ジュークボックスミュージカル…?歌が中心で筋書きはおまけくらいかなあ)の気持ちでいたので、観るのを後に回してたんですね。
それが、あんまりに仕事で疲れた日、帰宅して午後11時にU-NEXT開いたら(劇女摂取しなきゃみたいな気持ちになってた)、改めて、砂糖菓子みたいな可愛いピンク色の衣装を着た女の子たちのサムネイルが目に飛び込んできて。

開いたら、パジャマパーティーだし、やわらかくて、可愛くて、キラキラしてて「うわあ、アイドル!アイドルだぁ!」ってなって、オープニングにはディズニーのショーが始まるみたいなワクワク感があって「あーーーーーー」って目が冴えた。

そしてメイミを慰めるとこの楽曲「がんばらなくてもええねんで!!」で涙がぼろっぼろ出てきた。なお楽曲一つも知らないので、途中まで頭回ってなくて全部このミュージカルのための曲だと思ってた。そう感じるくらいに挿入の仕方が自然でした。
リリウムやステイシーズを手掛けた末満さんの脚本と聞いて(いったいどうなるんや…地獄展開なの…?まさか…?)と思っていたことをお詫び申し上げたい。

インタビュー内に

原作モノを書くときは、原作をまず第一に順守します。(中略)原作モノをやるんだったら、基本的に原作や原作者のマインドを一番に大事にしたい。そうすることで、オリジナル作品では至ることのない考え方や学びも得られますし、そこに意義を感じているからこそ原作モノをやっています。

とあるのですが、まさにその通りで、このミュージカルは「スマイレージ」というグループを「原作」に、彼女たちのために描き下ろされた脚本なんだなと言うのが(グループのことを詳しく知らなくても)随所でひしひしと伝わってきて、すごく幸せな気持ちになりました。

本作で彼女たちが演じるのは自分であって自分でない「もう1人の自分」。台詞も楽曲も全て、脚本/物語=フィクションの上にある。だからこそ言葉にできることも、あるいは(もしかするとやむを得ず)言葉にしなきゃいけないこともあったのかもしれない。虚飾、素顔、芝居、本音、どれがどれだか観客にはわからない。でも舞台上の彼女たちは全部全部全力なんですよね。それがわかる。だから信じたくなる…と言うか、もう嘘だろうが虚飾だろうが芝居だろうが、目の前にある舞台と彼女たちが発する台詞に、自分の心が温まって幸せになるのは全部「真実」なんですよね。素晴らしい夢を観させてもらってる。すごい、めちゃくちゃアイドルじゃん!ありがとう!だいすき!アイドルのあなたたちがだいすき!て思う。
しその構造を浮き彫りにした上でチャンプルーにしてくるこの脚本の構造、すごくないですか…?びっくりする…。

キャストさんのはなし!

先述の通り、私はまだキャストさんたちのアイドルとしての姿をほぼ知らないに等しいので、ここでは全部「役」の彼女たちについて語りますね。
キャストさんのお顔と名前は少しずつ覚え始めて来たのですが、和田さんがスノウ(リリウム)、中西さんがキャメリア(同)と同じ方なのにも途中まで確信が持てなかったくらいなので…8本観てもいまだそんな感じです(これは私の記憶力の問題もありますが、劇女のキャストさんの力だとも思うのです。すごい)。

リーダーの「アヤカ」は透明感があって、どこか不思議な雰囲気もまとっているのに、しっかりとみんなの中心にいる。「あまのじゃく」で「君のことなど興味ない」って歌う表情と歌声、静かなのに迫力というか気持ちの強さみたいなものが感じられてどきっとした。
「カノン」はツンと斜に構えていて、舞台上でもみんなから一歩距離を置いて立ってたりするし、厳しいツッコみもするけれど、「アイドル」であることに誰よりも貪欲である気がする(キャラ作りまでするタイプというか)、それでいて誰よりも情が厚くてメンバーが大好きでしょ…。
「カナ」は「こんな子だったんだ!」とびっくり。喋ってるときはどちらかというと「スマイレージ」の空気に馴染んでいる感じなのに、歌になるとめちゃくちゃ力強くて輪郭がはっきりする。あのお声で「ヤッタルチャンになるんやで」って言われたら「なりまーす!」ってなる。
「アカリ」はお名前の通り明るくて元気いっぱいで、きっとライブやトークでもずっとこういう「素顔」を出してる子なんだろうな-!ってなる。お声と表情の七変化がめっちゃ可愛い。身長が高いわけでもないのにダンスの一挙一動がすごく目を引くのが印象的だったなあ。
「リナ」はパジャマパーティーで先に寝ちゃおうとするマイペースさと愛くるしさがたまらない。「チョトマテクダサイ! 」は小悪魔感もあって、お預けされちゃう竹内君がうらやましくなってしまった。笑 良い意味でクラスにいてほしい「アイドル感」があって目で追ってしまった。
メイミは感情の振り幅もダンスの振りも大きくてダイナミック。落ち込みも地の底なら幸せは大気圏を突破するみたい。誰よりも女優という「未来」を見ているからこそ、「今」をすごく大切に抱きしめてる感じが好きだったし、そんな彼女を通してメンバーもまた今や未来を考えているような構図も良かった。

あと全員の男装、とても格好良くて可愛かったなあ!メンバーは6人で偶数だけど「ニコイチ」で展開しないところが個人的に好きな部分でした。それぞれにそれぞの関係性があるんだろうなあって、思いをはせられる。

「アリス」がモチーフになっているところも、少女の夢と相まって良かったな。最後で伏線改修されてアリス衣装になるところも最高。しかもアリスの「コスプレ」じゃなくて大げさなほどに「アイドル」の衣装、舞台に立つための戦闘服なんですよね。じっくり見てイラスト描きたい…。

noteに下書きだけたまっていってキリが無いのでひとまずまずはここまで!また見返したら追記します!

ヘッダー写真提供:ぱくたそ

*memo*(公式サイト
和田彩花/福田花音/中西香菜/竹内朱莉/勝田里奈/田村芽実スマイレージ
田口夏実/野村みな美/斎藤夏奈ハロプロ研修生
富澤衿香/杉本涼葉/石井杏奈(演劇女子部オーディション合格者)
2014年公演
脚本/演出:末満健一
音楽監督:和田俊輔
振付:YOSHIKO
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
主催・企画・制作:BS-TBS/オデッセー