KANGEKI-LOG

観劇とか感激とか思考の吐き出しとか

【観劇記録】サンクユーベリーベリー

演劇女子部さんの「サンクユーベリーベリー(2015ver)」をU-NEXTで観ました!(劇女作品観劇、もう何作目か数えるのはやめました)
可愛らしい衣装に惹かれ「一体どんな演目なのだろう」…と前情報なしに観たら、全国女子高校合唱コンクールを舞台にした青春&成長ものでした、ワオ!予想外!
脚本は偶然にも、今作の前に観た「トライアングル」と同じ塩田泰造さん。間合いや展開の独特さは「ごがくゆう」に近しいものを感じたかな。テーマのストレートさは「トライアングル」に通じる気も。個人的には中盤辺りまで没入しづらかったのですが、観劇後はすごく清々しい気持ちになりました。良かったです!

あらすじ
全国女子高校合唱コンクール「あの子が歌うのを見たんだ!(通称アノコウタ)」での連覇を狙う弁天女子学院と、頭は悪いが勢いとハートの熱さでは負けない初出場・丸富高校。教師におだてられてチームを結成し「歌詞の意味なんて考えたことない!」スタンスの丸富3人と、厳しい指導や部長の転校で内部崩壊している弁天のメンバー。そして奇しくも二つの高校と縁を持つ苦学生の貧乏少女。それぞれの関わりの中で一人一人が「歌」と共に変化していく青春&成長ストーリー。

可憐な衣装に反して、筋書きはめちゃくちゃベタ&ストレート(でもそこがいい)。

軸として成長が描かれる主人公は、弁天のエースでゴーイングマイウェイな少女・長雲学子(演・浅倉樹々)。役の幼い雰囲気(お嬢様で自分が世界の中心にいる、でも憎めない感じ)に、演者の浅倉さんがマッチしていたなあと思います。それでいて表情豊か。
大好きな親友(部長)が転校を、大好きな兄がとある秘密を自分に黙っていたことに「どうして言ってくれないの!」と疎外感を覚える年相応な感じが大変に愛らしい。その中で、特に、悩んだり悲しんだりするときのお顔が印象的だったな。耳よりも目が惹かれる感じでした。

彼女を支える葉子(演・岸本ゆめの)は、合唱部応援団として「オッス」な感じで現れるしお顔立ちもハッキリした「カッコイイ」雰囲気なのですが、男勝りというわけではなく、とても懐の広く、少し大人びていて友達思いの少女。なんとなく、長雲にとって部長で親友の水島果菜(演・石井杏奈)の存在の方が葉子より大きく感じられるだけに、葉子の献身がより健気に見える…。

個人的には丸富の「生徒がた」が好きです。フリフリ着てるのにお上品じゃないところも含めて好きだし、顧問の先生(赤ジャージにリーゼント!笑)との関係性も良い。前に出る役ではないのですが、安彦玲(演・新沼希空)の目力が印象的だったな。丸富組の溜まり場(おでんカフェ!笑)でバイトする貧乏少女・小西眞佳(演・山岸理子)はぽわーっとした雰囲気に透明感がある。「恩を〇で返しちゃいます!」の台詞が好きです。

あ、あと大人組がいることでさらに舞台に深みがでているなと感じました(特にラストは、大人組が後ろにいるからこそぐっとくるものがある)。「怪獣のバラード」や「あの素晴らしい愛をもう一度」など、合唱でおなじみの曲も久しぶりに聞いてエモを味わいました。

ミュージカルとライブの違いって、ミュージカルの「歌」には舞台の上の「役」の想い/変化が絡んでくるところだなあというのを再確認した舞台でもありました。最初と最後では、役にとっても観客にとっても「歌」の持つ意味が変わってくるし、その変化を愛しいと思える舞台だった!

劇女作品を観る中でモー娘。アンジュルムのキャストさんはだいぶ覚えてきたのですが、つばきファクトリーさんは実質初見。これからまた舞台で出会う機会もあるかな。お名前とお顔を覚えていきたいです。

あ、あとキャストさんの御髪がみなさんめちゃくちゃきれいでした…さらさら…。

(ネタバレメモは後日追記したい。取り急ぎ観劇後の印象をざくざく書きました!)

*memo*
長雲学子:浅倉樹々/服部葉子:岸本ゆめの
前嶋今日花:谷本安美/安彦玲: 新沼希空
小西眞佳:山岸理子/夏川未知男:小片リサ
水島果菜:石井杏奈/榎本かおり:小野田暖優
脚本:塩田泰造(大人の麦茶)
演出:須藤茉麻
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
主催・企画・制作:BS-TBS / オデッセー

以下初見ネタバレメモ
・過去のレポをチラチラみたのですが、ゲキハロ時代はミュージカルじゃなくて、衣装も普通の制服寄りだったのね!初演も気になる。
・岸野さん最初に特攻服というかタンクトップ?チューブトップ?みたいな服装になられて勝手にドキドキしてしまったしスタイル良すぎて「ひえええ」ってなってしまった。
小片リサさんの男役、かなり自然だったし、マナカとの関係も(たくさん描かれているわけではないけど)好みだったなあ。そしてトライアングルにも出演されていたことに観劇後に気づく。丸富組がマナカの背中押してあげるの本当に尊い…。そういえば優勝は二校で山分けになったのかな。みんなで修学旅行してくれ…。
・劇女の舞台、末満脚本は役者の背を押して押し上げるイメージだけど、塩田脚本は役者の先を走って早く追いついてこい、と檄をいれるような、どちらも役者たちの可能性を信じている感じが好きだなあと思う。観劇後の興奮は、前者は即効性、後者は遅効性って感じ。